固定資産税は永遠に支払う必要がある?計算方法や支払えないときの対処法も解説

固定資産税は永遠に支払う必要がある?計算方法や支払えないときの対処法も解説

マイホームを購入すると、住宅ローンの返済以外にも固定資産税などの維持費を負担しなければなりません。 土地・建物それぞれに対して課される固定資産税ですが、 「所有し続ける限り永遠に支払わなければならないの?」 「築年数の経過とともに固定資産税の負担は変わるの?」 こういった疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、固定資産税を永遠に支払う必要があるかについて紹介するとともに、固定資産税の計算方法や支払えなくなった場合の対処法などについて解説します。

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固定資産税は永遠に支払う必要がある?

固定資産税は永遠に支払う必要があるのでしょうか、土地、建物それぞれについて解説します。

土地の固定資産税は永遠に支払う必要がある

土地は減価償却しない資産であり、所有し続ける限り固定資産税を支払う必要があります。

減価償却とは、築年数の経過とともに価値が減少すること。建物の場合、築年数の経過に伴い価値が減少する、いわゆる減価償却資産ですが土地はそうではありません。

土地の場合、火災などで消失することもなく、再開発や新駅開業で地価が上昇すれば固定資産税が以前より高くなることもあります。

なお、固定資産税には免税点があり、通常固定資産税の課税標準額が30万円に満たない土地は課税されません。

このように立地条件や土地面積などから資産価値がない土地でない限り、基本的に固定資産税は永遠に支払う必要があります。

参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

建物(家屋)の固定資産税は支払い続ける必要がある

建物についても、土地と同様に所有し続ける限り固定資産税を支払う必要があります。

建物は土地と異なり築年数の経過とともに価値は減少し、それに伴い固定資産税の負担も下がるのが一般的です。

どの程度で建物の価値が下がるかについて、法務局が「経年減価補正率」を定めています。木造の建物の場合27年で新築時のおよそ2割となり、それ以上は築年が経過しても下がらない設定となっています。

つまり、築年数が経過し建物の老朽化が進んでも固定資産税がゼロになることは基本的にはありません。そのため建物を所有する限り、固定資産税の負担は続きます。

ただし、災害や老朽化によって建物を取り壊した場合、あるいは建物の課税標準額が20万円以下になると固定資産税は課税されません。

参照:法務局「経年減価補正率表」

そもそも固定資産税とは?

ここでは固定資産税の概要や算出方法、税額を確認する方法について解説します。

所有する土地・建物に課される地方税

固定資産税は、土地や建物などの所有者に課される地方税です。土地・建物の所在地の市区町村に納税し、東京23区は課税主体である東京都に納付します。

固定資産税の使途は市町村によっても異なりますが、道路や学校、公園など、日常生活で利用する公共的な施設の整備や介護・福祉などの行政サービスに使われます。

また、市街化区域内の土地・建物の所有者には、固定資産税と同時に都市計画税が課税されます。

市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域、あるいは概ね10年以内に計画的・優先的に市街化を図る区域です。

都市計画税は都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充当することを目的として課税され、固定資産税と併せて納税します。

固定資産税の納税義務者

固定資産税・都市計画税の納税義務者は毎年1月1日時点の所有者(固定資産課税台帳に登録されている人)です。

固定資産税については、土地・建物の所有者全員に納税義務がある一方、都市計画税は市街化区域内に土地・建物を所有する人に限られます。

また、年度の途中に不動産売買で所有者が変わった場合でも、その年度の固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者(通常は売主)です。

そのため不動産売買時の決済では、一般的には売主が当年度分の固定資産税の全額を納付し、引渡し日を基準に買主が負担すべき固定資産税額を日割りで算出し、清算します。

固定資産税の計算方法

では固定資産税額はどのように決まるのでしょうか。固定資産税の計算方法について解説します。

固定資産税額は、土地もしくは建物の固定資産税評価額に税率を乗じて計算します。

・固定資産税額=固定資産の評価額(課税標準額)×税率(1.4%)

固定資産の評価額(課税標準額)は、総務省が土地・建物の評価指標として定める「固定資産評価基準」をもとに、各市町村が土地・建物の価値を評価したものです。

土地の場合、国が公表する公示価格※の70%相当の価格になっています。

※公示価格は国土交通省が適正な地価の形成を目的に、毎年3月に公表する土地の価格。全国約26,000地点の標準地について毎年1月1日時点の地価(1㎡あたり)を公示。

また、土地・建物の評価額は地価動向や経年によって価値が変わるため、適正な時価をもとに評価額を算出できるように3年に1度見直しが行われます。

固定資産税額の確認方法

固定資産税を確認する方法には、以下の3つがあります。

確認方法

概要

納税通知書で確認

毎年5月~6月頃に市町村から届く納税通知書で確認

固定資産課税台帳を閲覧

市町村に備え付けの固定資産課税台帳で閲覧

固定資産評価証明書を取得

市区町村役場で固定資産税評価証明書を取得し確認

毎年5月~6月頃に市町村から届く納税通知書には、当該年度分および4期に分けた各期の税額が納付期限とともに記載されています。

納税通知書が手元にない場合、市町村に備え付けの固定資産税台帳で確認できます。

個人情報保護のため、土地・建物の所有者や利害関係者が閲覧でき、確認する際は運転免許証などの本人確認書類を準備しましょう。

また、市区町村役場で固定資産税評価証明書を取得することもできます。固定資産評価証明は、固定資産税課税台帳に登録されている資産の価値を証明する書類です。

原則として、所有者本人もしくは利害関係者からの申請が必要となり、東京都の場合、窓口もしくは郵送で取得できます(1件あたり400円)。

固定資産税の軽減措置

住宅用の土地や建物の建物には、固定資産税の軽減措置があります。それぞれについて解説します。

土地(住宅用地)の軽減措置


住宅やアパートの建築に利用される住宅用地については、以下の軽減措置が設けられています。

固定資産税の軽減

都市計画税の軽減

小規模住宅用地(住戸1戸につき200㎡までの部分)

価格×6分の1

価格×3分の1

一般住宅用地(小規模住宅用地以外)

価格×3分の1

価格×3分の2

出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

住宅用地の軽減措置が適用されるためには、1月1日時点で住宅などが建つ土地であることが必要です。

土地上の建物を商売のために利用したり、住宅を取り壊して駐車場として利用したりするなど、住宅用地ではなくなると軽減を受けられなくなります。

建物(家屋)の軽減措置

続いて、新築住宅における固定資産税の軽減措置について解説します。

新築住宅を建てたとき一定の要件を満たすことで固定資産税の軽減が受けられ、さらに建物が認定長期優良住宅の場合、軽減措置の適用期間が延長されます。

主な適用要件と軽減内容は、以下のとおりです。

新築住宅

認定長期優良住宅

適用要件

・床面積が50㎡以上280㎡以下

・(住宅部分以外がある場合)居住部分の床面積が全体の1/2以上

・2026年(令和8年)3月31日までに新築すること

・認定長期優良住宅である

・床面積が50㎡以上280㎡以下

・(住宅部分以外がある場合)居住部分の床面積が全体の1/2以上

・2026年(令和8年)3月31日までに新築すること

軽減内容

(1戸あたり120㎡までを限度として)新たに課税される年度から3年間、固定資産税額が1/2に軽減。


3階建て以上の耐火・準耐火建築分の場合は5年間固定資産税が1/2に軽減。

(1戸あたり120㎡までを限度として)

新たに課税される年度から5年間、固定資産税額が1/2に軽減。


3階建て以上の耐火・準耐火建築分の場合は7年間固定資産税が1/2に軽減。

参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

なお、建物については都市計画税の軽減措置はありません。

また、減額を受けるためには建物を新築した翌年1月31日までに「固定資産税減額申告書」に必要事項を記入して市町村に提出する必要があります。

このとき長期優良住宅の場合、認定書の写しが必要です(東京都の場合)。

固定資産税の支払い時期と支払い方法

自治体によって固定資産税の支払い時期が異なる場合もありますが、ほとんどの自治体では4月〜6月頃に固定資産税の納付書が届きます。

支払いは1年分を一括で支払うこともできますし、4期(東京23区の場合6月・9月・12月・2月)に分けて納付も可能です。

支払方法は納付書で郵便局やコンビニなどで支払うことができるほか、口座振替やクレジットカードが利用できます(クレジットカードに対応していない自治体もあります)。

固定資産税が支払えないとどうなる?

では、固定資産税が支払えなくなった場合どうなるのでしょうか。

  1. 市町村からの督促・延滞金の支払い請求
  2. 財産の差し押さえ
  3. 競売

1.市町村からの督促・延滞金の支払い請求

固定資産税を支払わないまま納付期日から一定期間を経過すると市町村から督促状が送付されます。

地方税法第371条では、納税者が納期限までに固定資産税を完納しない場合、市町村の徴税担当者は納期限後20日以内に督促状を発しなければならない旨を規定しています。

また、納付書に記載された納付期限を過ぎると延滞金が発生します。

東京都の場合、延滞金の割合は、納付期限の翌日から1ヵ月を経過するまでは原則年2.5%、納付期限の翌日から1ヵ月を経過した日以降は、原則8.7%となっています(令和6年10月時点)。

参照:東京都主税局「税金の支払い」

2.財産の差し押さえ

市町村からの督促状や催告書が届いても支払わない場合、資産が差し押さえられ固定資産税の支払いにあてられる可能性があります。

税法上、督促状の発送から10日以内に納付しない場合は、滞納者の財産を差し押さえなければならない旨が定められています(地方税法第373条1項)。よって、督促状が届けば早急に対応が必要です。

差し押さえの対象となる財産は、給与や預貯金、不動産など換金性のある財産であり、一般的に差し押さえしやすい給与や預金が対象となります。

3.競売

差し押さえた資産で固定資産税の滞納が解消されず、引き続き支払えない場合、最終的に不動産が競売にかけられる可能性があります。

競売は、裁判所の権限で不動産を強制的に売却し、その代金から債権額や税金の滞納額を回収する手続きです。

競売にかけられると一般的な市場で売却する場合より売却価格は低くなるうえ、自宅を退去しなければなりません。

固定資産税が支払えないときの対処法

では、固定資産税が支払えないとき、どのような対処法が考えられるのでしょうか。

主な対処方法を4つ紹介します。

  1. 自治体の窓口に相談する
  2. 自治体に減免申請書を提出する
  3. 売却する
  4. リースバックを活用する

自治体の窓口に相談する

固定資産税は、自治体が課税権者である地方税です。納付期限までに固定資産税の支払いができないとわかった時点で早めに市区町村の窓口に相談しましょう。

固定資産税の支払いは一括払いか4期に分けた支払いが原則ですが、自治体に相談することで、固定資産税の分納や支払い猶予を受けられるかもしれません。

収入や生活環境の変化で支払いが厳しい場合、毎月の支払いに変更できる可能性があります。分納にすることで1回の支払い金額が下がるため納付を継続しやすくなるでしょう。

また、自然災害や盗難被害、あるいは病気や事故などの特別な事情が認められると、1年間の支払い猶予を受けられる可能性があります。

支払い猶予が認められれば、延滞金の支払い免除や財産の差し押さえもなくなり、猶予期間中に家計の改善もできるでしょう。

自治体に減免申請書を提出する

一定の条件を満たせば、固定資産税の軽減もしくは免除が認められる可能性があります。

減免が認められる条件は、自治体によって異なります。

例えば、大阪府大阪市の場合、次のような方を対象に減免申請が可能です。

  • 生活保護法の規定による生活扶助を受給している場合
  • 一定の要件をみたす65歳以上、特別障がい者、寡婦またはひとり親の方
  • 災害(火災・風水害など)による被害を受けた場合

対象者や状況に応じて、固定資産税・都市計画税の2割軽減から免除まで受けられる可能性があります。

参照:大阪市「固定資産税および都市計画税の減免」

売却する

固定資産税の支払い継続が難しい場合は、売却も一つの方法です。

土地、建物を売却することで固定資産税の負担はなくなり、固定資産税を滞納している場合、売却収入を納税資金に充てられます。

差し押さえによる競売手続きと異なり、市場価格に近い売り出し価格を設定できるため、売却収入も確保しやすいでしょう。

立地条件などから売却が難しい土地であれば、隣地への無償譲渡も含めて検討してみるのも一つの手です。

リースバックを活用する

固定資産税の支払いが厳しいものの住み慣れた家から離れたくない場合には、リースバックを活用する方法があります。

リースバックとは、土地・建物を売却すると同時に買主と賃貸借契約を結び、その家に住み続ける方法です。

リースバックサービスを提供する不動産会社などに土地・建物を売却するため、固定資産税の負担はなくなります。

まとまった売却収入を得たうえで、そのまま住み続けることが可能です。

ただし、賃貸借契約に基づいて家賃を支払う必要があるため、賃料設定や支払い期間など契約内容を慎重に見極めないと将来的な負担が大きくなる可能性があります。

まとめ:固定資産税は永遠に支払う必要があるので早めに対策を

固定資産税は、土地・建物を所有する限りは負担し続けなければならない費用です。

固定資産税が支払えなくなると、最悪の場合、自宅を失う可能性があります。

そのため住宅を購入する際は、住宅ローンや火災保険料など、不動産を所有するうえでかかる維持費を踏まえ、無理のない購入予算や資金計画で進めることが大切です。

一方で、新築住宅や住宅用地には3〜7年の固定資産税の軽減措置があり、その間の負担を抑えられます。

さらに、住宅ローン減税を適用すると最大13年間所得税や住民税の負担を軽減できます。

ただし、固定資産税の支払いや住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、減税措置がなくなった後の家計をしっかりと考えておくことが重要です。

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また、土地・建物を一括で販売・管理することで購入予算も抑えられます。資金計画や住宅ローン選びについてもサポート可能ですのでお気軽にご相談ください。

吉満 博

吉満 博

ゼネコン、ハウスメーカーで建築設計に従事後、自身の住宅購入をきっかけに不動産売買事業を始める。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性踏まえた長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供。これまでの実務経験を活かし、2023年から不動産・金融メディア中心にライターとしても活動。自身のサイトで不動産売買や住宅ローン等のお役立ち情報発信。

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