
広い庭付き一戸建てで失敗しない!選び方の基準と管理のコツ3選
「広い庭で子供をのびのび遊ばせたいけれど、手入れが大変そうで使いこなせるか不安」そんなふうに悩んでいませんか? 憧れだけで購入し、雑草だらけの庭を見て後悔する人は少なくありません。 しかし、正しい物件選びと管理のコツさえ知れば、手間をかけずに家族の笑顔が溢れる理想の暮らしは叶います。 この記事では、失敗しない広さの基準や、予算を抑える中古物件の賢い選び方、忙しくても庭をきれいに保つ3つの管理術を解説します。 これを読めば、あなたにぴったりの庭付き一戸建てが見つかり、理想の生活への一歩を踏み出せるはずです。
目次
この記事のポイント
- BBQやプールを楽しむために必要な「庭の広さ」の目安がわかる
- 「雑草」や「虫」などのデメリットを解消する具体的な対策がわかる
- 予算内で理想を叶えるための「中古・格安物件」の見極め方がわかる
- 忙しい共働き夫婦でも無理なく続けられる「メンテナンスのコツ」がわかる
広い庭付き一戸建ての魅力とは?家族や趣味を楽しむ理想の暮らし
「せっかく一戸建てを買うなら、広い庭で思い出を作りたい」そう願う方は多いはずです。
この記事を読み進めることで、広い庭がもたらす豊かなライフスタイルが具体的にイメージできるようになります。
- 子供の遊び場やBBQ、ドッグランなど使い方は無限大
- 隣家との距離が保てて日当たりや風通しが良い
まずは、広い庭があることで実現できる理想の暮らしについて見ていきましょう。
子供の遊び場やBBQ、ドッグランなど使い方は無限大
広い庭がある最大の魅力は、自宅にいながらアウトドアや趣味を思う存分楽しめることです。
例えば、夏には大きなビニールプールを出して子供たちを遊ばせたり、週末には友人を招いて本格的なバーベキューを開催したりすることができます。
わざわざ遠くの公園やキャンプ場に行かなくても、リビングから一歩出るだけで非日常的な空間が広がっているのです。
また、愛犬家にとっては、敷地内に専用のドッグランを作ることも夢ではありません。
リードなしで愛犬が走り回れる環境は、ペットのストレス解消になるだけでなく、飼い主にとっても安心できる要素となります。
隣家との距離が保てて日当たりや風通しが良い
広い庭があることは、単に遊ぶスペースがあるだけでなく、住環境の快適さにも直結します。
敷地いっぱいに建物が建っている住宅密集地では、隣の家の壁が目の前に迫り、日当たりや風通しが悪くなりがちです。
しかし、広い庭があれば隣家との間に十分な空間が生まれます。
その結果、リビングに自然光がたっぷりと降り注ぎ、窓を開ければ心地よい風が通り抜ける快適な室内環境が手に入ります。
隣の家の生活音も気になりにくく、プライバシーが守られた静かな生活を送ることができるでしょう。
広い庭があることの具体的なメリット
「遊び場以外にも、実用的なメリットはあるの?」と疑問に思うかもしれません。
ここを読むことで、生活の利便性や資産価値といった、より現実的なメリットを理解できます。
- 駐車場や駐輪スペースに余裕が持てる
- 将来的に増築やリフォームの自由度が高い
- 資産としての土地の価値が残りやすい
続いて、暮らしの質を底上げする機能的なメリットについて解説します。
駐車場や駐輪スペースに余裕が持てる
土地にゆとりがあると、駐車スペースの確保に悩む必要がなくなります。
一般的な建売住宅では車1台分というケースが多いですが、広い庭付きの物件なら、車を2台、3台と並列で駐車し、来客用のスペースを確保することが容易です。
また、子供が成長して自転車通学を始めた際にも、大型のサイクルポートを設置する場所を気にする必要がありません。
カーポートやガレージを設置してもまだ庭としてのスペースが残るため、愛車のメンテナンスも自宅でゆっくり行えるようになります。
将来的に増築やリフォームの自由度が高い
長い人生、家族構成やライフスタイルは変化していくものです。
広い敷地があれば、将来的に親と同居することになった際の部屋の増築や、趣味のための離れの設置など、柔軟に対応できます。
法律で定められた建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)にも余裕があることが多いため、建て替えやリフォームの際もプランの制約を受けにくくなります。
今の暮らしだけでなく、10年後、20年後の変化にも対応できる「住まいの器」としての大きさは、永く住み続ける上で大きな安心材料となるでしょう。
資産としての土地の価値が残りやすい
不動産の価値は「建物」と「土地」に分けられますが、建物は経年劣化により価値が下がっていくのに対し、土地の価値は比較的安定しています。
特に駅からの距離などの立地条件が良い場合、広い土地を持っていることは大きな資産となります。
将来的に売却を検討することになった際も、広い土地は「アパート用地」や「分割して分譲住宅用地」などとしての需要も見込めるため、買い手がつきやすい傾向にあります。
広い庭を持つことは、現在の豊かさを享受するだけでなく、将来への資産形成という側面も持っているのです。
ここだけは注意!広い庭付き一戸建てのデメリットと後悔しないための対策
「良いことばかりでなく、苦労する点も知っておきたい」というのが本音でしょう。
この章を読むことで、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを回避できます。
- 雑草抜きや虫対策など手入れの手間とコスト
- 土地が広い分、固定資産税が高くなる可能性がある(200㎡の壁)
- 外からの視線や防犯面でのリスク
憧れの裏に潜むデメリットと、それを乗り越える対策をしっかり確認しておきましょう。
雑草抜きや虫対策など手入れの手間とコスト
広い庭を持つ人が最も頭を悩ませるのが、草むしりなどのメンテナンスです。
土のまま放置していると、夏場には驚くべき速さで雑草が生い茂り、蚊などの害虫も発生しやすくなります。
毎週末を草むしりに費やすことになり、せっかくの休日が労働で終わってしまうという失敗談も少なくありません。
対策としては、購入時や入居前に「防草シート+砂利」を敷く、あるいはコンクリートで舗装するなど、土の露出面積を減らす外構工事をしておくことが重要です。
初期費用はかかりますが、ランニングコストと労力を大幅に削減できます。
土地が広い分、固定資産税が高くなる可能性がある(200㎡の壁)
土地が広ければ広いほど良いと考えがちですが、税金の面では注意が必要なラインが存在します。
住宅用地には固定資産税を軽減する特例がありますが、その適用範囲は「200㎡(約60坪)」を境に変わります。
区分 | 面積 | 固定資産税の評価額の減額率 |
小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 評価額 × 1/6 |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 評価額 × 1/3 |
(参考:国土交通省HP「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」)
このように、200㎡を超えた部分については減税の幅が小さくなり、税負担が増える仕組みになっています。
60坪以上の広い土地を検討する場合は、年間の固定資産税がいくらになるのか、事前に不動産会社にシミュレーションしてもらうことを強くお勧めします。
外からの視線や防犯面でのリスク
敷地が広いと道路や隣地との接地面が増えるため、外からの視線にさらされやすくなることがあります。
リビングでくつろいでいる姿が通りから丸見えでは、リラックスできません。
また、死角ができやすい広い庭は、空き巣などの侵入経路になりやすいという防犯上のリスクもあります。
これらを防ぐためには、高さのある目隠しフェンスを設置したり、歩くと音が鳴る防犯砂利を敷き詰めたりする対策が有効です。
さらに、センサーライトを設置することで、夜間の防犯性を高めつつ、庭の雰囲気作りにも役立てることができます。
予算を抑えて広い庭を手に入れるなら「中古・格安物件」も検討しよう
「新築で広い庭は予算オーバー…」と諦めるのはまだ早いです。
ここを読むことで、中古市場や格安物件の中から、お宝物件を見つけ出す視点が身につきます。
- 新築では手が届かないエリアや広さも「中古」なら見つかる理由
- 「格安」にはワケがある?購入前に確認したい傾斜地や再建築不可のリスク
- リフォームやDIY前提で「格安中古」を自分好みの庭に再生する
- 庭木や大きな石が残っていないか?「残置物」の撤去費用もチェック
賢く予算を抑えて理想を叶える、中古物件選びのポイントをご紹介します。
新築では手が届かないエリアや広さも「中古」なら見つかる理由
新築物件、特に都心部や人気エリアでの広い庭付き一戸建ては、価格が高騰しており手が出しにくいのが現状です。
しかし、中古物件に目を向けると状況は一変します。
かつて土地が安かった時代に建てられた家は、現在販売されている新築よりも敷地面積が広く設定されていることが多いのです。
建物自体の価値が下がっているため、土地値に近い価格で購入できることも珍しくありません。
「広い土地」を優先条件にするなら、中古一戸建ては非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
「格安」にはワケがある?購入前に確認したい傾斜地や再建築不可のリスク
相場よりも明らかに安い「格安物件」を見つけた場合は、飛びつく前にその理由を確認する必要があります。
例えば、庭が斜面(傾斜地)になっていて平らな部分が少なかったり、「再建築不可」といって今の家を壊すと新しい家が建てられない土地だったりすることがあります。
また、前面道路が狭すぎて車が入らないケースもあります。
これらは生活する上で大きな不便や制約となるため、物件資料の備考欄をよく読み、必ず現地を見て、安さの理由が許容できる範囲かどうかを慎重に判断しましょう。
リフォームやDIY前提で「格安中古」を自分好みの庭に再生する
中古物件の庭が荒れていたり、好みのデザインでなかったりしても、諦める必要はありません。
むしろ、建物や土地を安く購入できた分を、リノベーション費用に回すという考え方ができます。
古びた庭も、不要な木を伐採し、ウッドデッキを新設したり、レンガを敷いたりすることで見違えるように生まれ変わります。
DIYが好きな方であれば、週末ごとの楽しみとして少しずつ自分好みの庭を作り上げていくのも良いでしょう。
完成された新築よりも、自分たちの手で作り上げるプロセスを楽しめるのが中古物件の醍醐味です。
庭木や大きな石が残っていないか?「残置物」の撤去費用もチェック
中古物件を購入する際、盲点になりやすいのが庭にある「残置物」です。
前の住人が植えた巨大な庭木や、立派な景石、古い物置などがそのまま残されていることがあります。
これらをそのまま使うなら問題ありませんが、撤去したい場合は意外に高額な費用がかかります。
大きな木の伐採や抜根、石の処分には重機が必要になることもあり、数十万円単位の出費になることも。
契約前に「誰の負担で撤去するのか」を明確にし、必要であれば売り主に撤去をお願いするか、その費用分を値引きしてもらえるよう交渉することをお忘れなく。
失敗しない広い庭付き物件の選び方と広さの目安
「結局、どれくらいの広さがあればいいの?」という疑問にお答えします。
ここを読めば、やりたいことに合わせた適切な広さと、物件選びで見るべきポイントが分かります。
- BBQやプールをするならどれくらいの広さ(坪数)が必要?
- 方角と日当たり、水はけの良さをチェックしよう
- 水道の位置や外構工事の予算も事前に確認を
後悔しないための具体的なチェックポイントを整理しましょう。
BBQやプールをするならどれくらいの広さ(坪数)が必要?
「広い」といっても、必要な面積はやりたいことによって異なります。感覚値ではなく、具体的な目安を持っておくことが大切です。
- 10坪(約33㎡)程度の庭:
ガーデニングやちょっとした家庭菜園、小型犬の遊び場として十分な広さです。 - 15〜20坪(約50〜66㎡)程度の庭:
家族4〜5人でテーブルを出してBBQをしたり、子供用のビニールプールを置いたりしても余裕があります。 - 30坪(約100㎡)以上の庭:
本格的なドッグランや、キャッチボールなどのボール遊びも可能です。大型の物置を置いても圧迫感がありません。
このように、まずは「庭で何をしたいか」をリストアップし、それに必要な坪数を逆算して物件を探すのが失敗しないコツです。
方角と日当たり、水はけの良さをチェックしよう
庭の快適さを左右するのは広さだけではありません。
「南向き」の庭は日当たりが良く、芝生や植物が育ちやすい一方で、夏場は暑くなりすぎることもあります。
逆に「北向き」の庭は湿気がこもりやすい反面、夏は涼しく過ごせるというメリットもあります。
また、見落としがちなのが「水はけ」です。
雨が降った翌日に現地に行き、水たまりができていないか、地面がジメジメしていないかを確認しましょう。
水はけが悪い庭は、苔が生えやすかったり、蚊が大量発生したりする原因になります。
水道の位置や外構工事の予算も事前に確認を
庭遊びやメンテナンスに欠かせないのが「外水栓(立水栓)」の位置です。
BBQスペースや家庭菜園を予定している場所から水道が遠いと、いちいち長いホースを引っ張らなければならず、非常に不便です。
物件の場合、フェンスや駐車場、アプローチを作るための「外構工事費用」が別途必要になります。
土地が広い分、外構費用も100万円〜200万円以上とかさむことがあるため、土地代だけでなくトータルの予算計画を立てておくことが重要です。
忙しくても大丈夫!広い庭のメンテナンスを楽にするコツ
「共働きで庭の手入れなんて無理!」そんな方にこそ知ってほしい情報です。
この章を読むことで、時間をかけずにきれいな庭を維持する「手抜きの技術」を学べます。
- 防草シートと砂利で雑草をシャットアウト
- 一部を人工芝やタイルにして手入れエリアを減らす
- 目隠しフェンスでプライバシーを守りながら快適に
賢いアイテムを活用して、メンテナンスの負担を最小限に抑えましょう。
防草シートと砂利で雑草をシャットアウト
最もコストパフォーマンスが良く、効果的な雑草対策が「防草シート」と「砂利」の組み合わせです。
光を遮断する高密度のシートを地面に敷き、その上に砂利を厚めに敷き詰めることで、雑草の発生をほぼゼロに抑えることができます。
砂利には、歩くとジャリジャリと音がする防犯タイプや、おしゃれな色のついた化粧砂利など様々な種類があります。
家の裏手や通路など、普段あまり使わない場所はこの方法で雑草を封じ込め、手入れの手間を大幅に省きましょう。
一部を人工芝やタイルにして手入れエリアを減らす
庭全面を天然芝にすると、芝刈りや水やりが大変です。
そこで、子供が遊ぶスペースやBBQをする場所など、メインで使うエリアには「人工芝」や「タイルデッキ」を採用するのがおすすめ。
最近の人工芝は見た目もリアルで、クッション性が高く子供が転んでも安心です。
タイルデッキは汚れても水で流すだけで掃除が完了し、耐久性も抜群です。
「植物を育てる楽しみ」はプランターや一部の花壇だけに限定し、それ以外はメンテナンスフリーの素材を活用することで、美観と楽さを両立できます。
目隠しフェンスでプライバシーを守りながら快適に
庭の手入れを楽にするだけでなく、庭を「使える空間」にするために欠かせないのが目隠しフェンスです。
周囲の視線が気にならなくなれば、パジャマ姿で洗濯物を干したり、気兼ねなく庭でくつろいだりできるようになります。
メンテナンスを楽にする観点では、腐食に強いアルミ製や樹脂製のフェンスがおすすめです。
木目調のデザインを選べば、ナチュラルな雰囲気を壊さずに耐久性を確保できます。
プライバシーを確保することは、結果として庭に出る頻度を高め、庭への愛着を維持することにもつながります。
まとめ:ライフスタイルに合った広い庭で理想の暮らしを叶えよう
広い庭付き一戸建ては、子供の成長を見守り、家族の絆を深めるための最高のステージとなります。
管理の手間やコストといった課題はあるでしょう。
しかし、事前に「自分たちに必要な広さ」を見極め、「メンテナンスを楽にする工夫」を取り入れることで、十分に解決できます。
まずは、週末に家族で「どんな庭遊びがしたいか」を話し合ってみてください。
そして、新築だけでなく中古物件も含めて幅広く探すことで、きっと予算内で理想の楽園が見つかるはずです。
ぜひこの記事を参考に、あなただけの素敵な庭付きマイホームを手に入れてください。

蓑輪 達也
二級建築士|ハウスドゥ・ジャパン 売買建設企画部 西日本グループ グループ長 ハウスドゥ・ジャパンに新卒入社。施工管理職を経験後、現在は建築設計職を軸に施工管理・ビルディングマネジメントと活躍の場を多方面に広げています。 建築設計では、戸建てからホテル建築まで幅広くプロジェクトに携わっています。
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