家購入の流れは9ステップ!住宅ローンと売買契約のポイントを解説
マイホーム購入にあたり、手続きの流れや必要な期間を知っておくことが大切です。住宅購入の検討を始めてから引渡しまでの間、物件探しから住宅ローン選び、売買契約などさまざまな手続きがあり、それぞれのステップでおさえるべきポイントがあります。 この記事では、家を購入する流れを9つのステップで解説します。なかでも分かりにくい住宅ローンと売買契約について、おさえるべきポイントを含めて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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家購入の流れ9ステップ
住宅購入の流れを9つのステップで解説します。
- 予算・資金計画
- 物件探し
- 問い合わせ・内覧
- 住宅ローン事前審査
- 不動産購入申込
- 売買契約
- 住宅ローン本審査・契約
- 決済・引渡し
- 引越し・入居
ステップ1.予算・資金計画
まず、予算・資金計画を立てます。
購入予算は、自己資金と住宅ローン借入金額で決まりますが、無理のない予算設定であることが重要です。
住宅ローン借入金額を判断する基準の1つに「返済比率」があります。返済比率は、年収に対する1年間の住宅ローン返済額が占める割合です。一般的に、無理のない返済比率は、20〜25%が目安です。
例えば、年収600万円の場合、年間返済額の目安は、120〜150万円となります(600万円×20〜25%)。月々の返済額にすると10〜12.5万円です(ボーナス返済なし)。
このほか、購入後の固定資産税や火災保険料、マンションであれば管理費や修繕積立金などの維持費も含めて、無理のない借入金額にすることがポイントです。
ステップ2.物件探し
予算が決まれば、物件探しです。
SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトで検索することで、販売価格の相場が分かるでしょう。
このとき希望条件に合う物件が少なければ、条件に優先順位をつけ妥協点を探ることが大切です。
- エリア
- 立地条件
- 新築か中古か
- 築年数
- 土地・建物の面積
- 間取り
- 周辺環境
- 住宅性能など
物件探しの条件はさまざまですが、こだわる条件とそれ以外でメリハリをつけることがポイントです。
新築と中古物件の違いは、売主が宅建事業者か個人かです。新築物件の場合、建物の消費税や販売経費、利益なども価格に含まれるため、相場より高い価格設定になることが一般的です。
ただし、新築住宅の場合、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく10年保証があります。住宅会社によって、ほかにも住宅設備保証やアフターサービスなどが付いている場合があります。
個人が売主である中古住宅では、売買契約上、売主が負う契約不適合責任の規定はありますが、新築住宅のような保証はありません。中古住宅の場合、建物の経年劣化や設備の状態など1つずつ異なりますので、しっかりと確認が必要です。
ステップ3.問い合わせ・内覧
物件探しをするなかで気になる物件があれば、問い合わせ、内覧予約をします。
いくつか物件を見るなかで、相場や内覧時のポイントなどもわかってくるでしょう。
内覧時間の目安は、およそ30分〜1時間です。建物の他に、周辺環境や最寄り駅からの経路などもしっかり確認しましょう。
マンションの場合は、駐車場や駐輪場、エントランス、掲示板など共用部分の確認も必須です。
中古マンションの場合、長期修繕計画の実施状況や修繕積立金の積み立て、滞納状況など、管理状況を知るために確認したほうがいいです。通常、重要事項調査報告著という管理状況が記載された書類を不動産会社が取得していますので確認してみましょう。
また、内覧時には、図面以外にメジャーやスマートホン、メモなどがあれば便利です。数多くの物件を見ていくなかで、記憶が曖昧になることもあるため、気になった点は記録しておくとよいでしょう。
なお、売主の方が入居中の物件であれば、保育園や学校の評判、マンション内や隣接住戸の様子、生活環境や治安など、気になる情報を質問してもいいでしょう。
ステップ4.住宅ローン事前審査
資金計画にあわせて、住宅ローンの事前審査も申込ましょう。
事前審査することで、借入金額の目安が分かり資金計画の目途が立ちます。事前審査の必要書類は、次のとおりです。
- 前年分の源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 本人確認資料(運転免許証など)
- 物件資料(チラシや販売図面など)
- (他の借入がある場合)償還予定表または残高証明書
事前審査は、次のステップで解説する購入申込で必要となります。また、人気物件などで買主が競合した場合に、売主は住宅ローン審査の結果を含めて誰に購入してもらうかを判断します。
売主としても、売買契約後に住宅ローンが承認されず契約が解除されるリスクを避けたいと考えるため、事前審査で住宅ローン借入の目途が立っている人に売りたいと考えるわけです。
ステップ5.不動産購入申込
内覧するなかで購入したい物件が見つかれば、購入を申し込みます。不動産購入の申し込みは、その物件を購入したい意思を正式に売主に伝えるもので、書面で行います。
売買契約とは異なり法的な拘束力があるわけではなく、条件によっては売主が拒否することもありますし、買主が撤回することも可能です。
不動産購入申込書は、希望金額や契約、引渡し時期などの条件を記載します。つまり、販売価格に対して値下げ交渉する場合も、不動産購入申込を通じて行います。条件が合わなければさらに交渉が続くケースもありますし、売主が条件変更には応じず他の買主を探す場合もあります。
ステップ6.売買契約
購入申込で売主と条件面で合意できれば、売買契約に進みます。
売買契約の締結前に、重要事項説明があります。重要事項説明は、宅地建物取引業者が契約当事者に対し、売買契約締結前に取引上重要な事項を説明する手続きです。
物件に関する重要事項を確認したうえで売買契約を締結することで、不動産売買の取引の安全を図るものといえます。
売買契約手続きについては、売買契約の流れと準備するもので必要書類やポイントについて詳しく解説します。
ステップ7.住宅ローン本審査・契約
売買契約が終わると、住宅ローンの本審査を申し込みます。無事本審査を通過すれば、金融機関と住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結します。
本審査は、おおむね2週間〜1ヶ月程度かかり、書類に不備がある場合や追加書類が必要な場合は、さらに時間がかかります。
住宅ローン本審査では、申込者の返済能力以外に、物件の担保価値や契約者の健康状態などより詳細な項目が審査対象です。
フラット35など一部の商品を除いて、団体信用生命保険(以下「団信」)の加入が融資条件となっているため、健康状態に不安がある方は、事前審査の段階で確認しておくとよいでしょう。
団信は、住宅ローン契約者が死亡あるいは高度障害状態になった場合に、住宅ローンが完済される保険です。
住宅ローン手続きについても、住宅ローンの流れと準備するもので必要書類を含めて詳しく解説します。
ステップ8.決済・引渡し
売買代金の決済・物件の引渡しは、通常、同時に行われます(同時決済)。
売主と買主、仲介不動産会社、司法書士、金融機関担当者が一堂に会し、次のような流れで進められます。
- 司法書士による本人・必要書類の確認
- 残代金の支払い(金融機関の融資実行)
- 固定資産税等の清算金支払い
- 鍵・関係書類の引渡し
- 仲介手数料や登記費用の支払い
住宅ローンの融資が実行され売買代金の決済が行われるほか、固定資産税や管理費、修繕積立金などを清算します。一般的には、引渡し日以降が買主負担です。
また、決済時には、不動産会社へ仲介手数料、司法書士に登記費用の支払いも行います。
ステップ9.引越し・入居
引渡しが終わると入居に向けて準備します。
入居前にハウスクリーニングやリフォームする場合は、あらかじめ段取りしておくことが必要です。
特に、マンションの場合、リフォームの工事内容について管理規約で制限があることが一般的です。そのため、工事の前に、リフォーム工事の内容について管理組合に申請し、許可をもらわなければなりません。
その他、電気やガスの開栓手続き、住民票の異動のほか、新築住宅であればテレビやネット回線の工事が必要です。
住宅ローンの流れと準備するもの
ここでは、住宅ローン手続きについて必要書類や注意点について解説します。
- 資金計画から融資実行までの流れ
- 住宅ローン手続きで準備するもの
資金計画から融資実行までの流れ
資金計画から住宅ローンの融資実行までの流れは、次のとおりです。
- 自己資金と借入金額を決める
- 複数の住宅ローン商品を比較・検討する
- 事前審査を申し込む
- 本審査を申し込む
- 金銭消費貸借契約(抵当権設定契約)を締結する
- 融資実行
住宅ローン選びでは、金利タイプから団信、返済期間、返済方法(元利均等・元金均等)など、決めることは少なくありません。
特に、金利差があまりない場合、団信特約を含めて住宅ローンを検討することがポイントです。団信には、がんや3大疾病、7大疾病など特約付団信があり、金融機関によって、上乗せ金利や保障内容が異なります。
住宅ローン返済期間中、病気やケガで返済が厳しくなった場合に備えるものです。団信も含めて住宅ローンを比較しましょう。
住宅ローン手続きで準備するもの
住宅ローン本審査に必要な書類は、次のとおりです。
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 収入を確認できる書類(源泉徴収や確定申告書など)
- 住民票
- 購入物件の資料
- 団体信用生命保険の申込書
購入物件の資料として、売買契約書や工事請負契約書、重要事項説明書、登記事項証明書などが必要です。
金融機関は、住宅ローン融資の担保として購入不動産に抵当権を設定するため、不動産の担保価値を評価するわけです。
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売買契約の流れと準備するもの
ここでは、売買契約時の流れと準備するものについて解説します。
- 売買契約締結時の流れ
- 売買契約時に必要なもの
売買契約締結時の流れ
売買契約時の流れは、次のとおりです。
- 重要事項説明
- 売買契約締結
- 手付金の支払い
- 仲介手数料の支払い
売買契約を締結する前に、重要事項説明が行われます。
重要事項説明や売買契約書は、法律的な用語や不動産取引に関する専門的な内容が少なくありません。一般の方には馴染みのない事項も多数含まれるため、売買契約当日に説明されても理解できない可能性があります。
そのため、事前に重要事項説明や売買契約書を取り寄せ、疑問点は解消したうえで売買契約にのぞむことが大切です。
売買契約が締結されると、売主は引渡しに向けて物件を引渡す義務、買主は代金を支払う義務が生じます。そのため、売買契約締結後は、すみやかに融資承認に向けて手続きを進めなければなりません。
売買契約時に必要なもの
売買契約時に必要なものは次のとおりです。
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 印紙代
- 手付金
- 仲介手数料
印紙代は、売買契約書など課税文書にかかる印紙税です。売買金額によって印紙代は変わります。
手付金は売買代金の5~10%で設定されるケースが多く、決済時に売買代金の一部に充当されます。また、不動産会社によっても異なりますが、売買契約時に仲介手数料の半金、残り半金を決済時に支払うケースが多いようです。
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【物件種別】住宅購入にかかる期間
住宅購入にかかる期間について解説します。
- 新築一戸建て
- 中古マンション
- 注文住宅
新築一戸建て
新築一戸建ての場合、完成済みであれば、売買契約や住宅ローン手続きと進み、1ヶ月程度での引渡しも可能です。
引渡し前には内覧会を実施し、キズや汚れ、施工不良、設備の不具合などがないかを確認します。不具合箇所がある場合は、引渡し日までに修繕対応してもらうように依頼します。
中古マンション
中古マンションの場合、売主が個人のケースがほとんどです。売主が入居中か空き家かによっても引渡しまでの期間は変わる場合があります。
空き家の場合は、買主の予定にあわせて引渡し日を決めやすいですが、入居中の場合、売主と買主で契約日や引渡し日を調整します。売買契約から概ね1~3ヶ月程度のなかで引渡し日を決めることが一般的です。
注文住宅
注文住宅の場合、土地から探すとなると、およそ1年〜1年半の期間がかかります。
注文住宅といっても、完全自由設計のものからセミオーダー、規格住宅など、自由度は異なり、打合せ回数や施工期間は異なるため、引渡しまでの期間も変わるでしょう。
また、ハウスメーカーには、大手から中堅、ローコスト、工務店までさまざまな依頼先があります。
プランやデザインなどいくつかのプランから選ぶローコスト住宅では、打ち合わせ回数が少なく、工期も一般の注文住宅の半分程度で済むこともあり、引渡しまでは早い傾向です。
まとめ:家購入の流れや必要なものを理解しよう
マイホーム購入では、資金計画から始まり、物件探し、住宅ローン、売買契約など、さまざまな手続きがあります。それぞれのポイントをおさえることが大切です。
ただし、まず大切なのは適正な予算や資金計画を立てることです。予算によって物件探しや住宅ローン借入金額は変わり、無理のない予算でなければ購入後に後悔する可能性があります。
返済比率や購入後の維持費を踏まえながら、まずは無理のない予算や資金計画を立てることからスタートしてください。
建売住宅専門ブランド「SHIRO」は、これまで約1,600棟以上の建売住宅を販売してきたハウスドゥグループが展開するデザイン住宅です。
土地・建物を一括で販売・管理するため契約の手間や時間がかからず、工期を短縮することでコストを抑えることができます。
資金計画についてもご相談できますので、お気軽にお問い合わせください。
吉満 博
ゼネコン、ハウスメーカーで建築設計に従事後、自身の住宅購入をきっかけに不動産売買事業を始める。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性踏まえた長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供。これまでの実務経験を活かし、2023年から不動産・金融メディア中心にライターとしても活動。自身のサイトで不動産売買や住宅ローン等のお役立ち情報発信。
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