建売住宅の購入に手付金が必要!相場や払えない場合の対処法も解説
建売住宅を購入するにあたって、手元の資金をいくら用意すればよいか気になる方も多いのではないでしょうか。 住宅の代金をすべて住宅ローンで支払う予定の方も、最低限「手付金」と呼ばれるお金は必要になるため、計画的に準備しなければいけません。 そこで本記事では、建売住宅を購入する場合の手付金の相場や支払い手続きについて詳しく解説します。 資金の準備が間に合わず、手付金を払えない場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
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建売住宅の手付金とは売主に預けるお金のこと
手付金とは、建売住宅の売買契約を締結する際に、不動産会社などの売主に対して預けるお金です。
本来、商品を購入する際は本体の引き渡しと同時に代金を支払いますが、土地や住宅などの不動産を購入する場合は、契約時に代金の一部を手付金として預けることが一般的です。
その代わり、引き渡し時には「住宅の代金から手付金を差し引いた金額」が請求されます。
例えば、4,000万円の建売住宅を購入するために、200万円の手付金を支払った場合を想定してみましょう。
引き渡しの際には手付金200万円が住宅代金として充当されるため、残りの「4,000万円ー200万円=3,800万円」が支払い金額になります。
建売住宅の購入に手付金が必要な理由
建売住宅を購入する際に手付金を支払うのは、単なる慣習ではありません。手付金には、民法や宅地建物取引業法にもとづいた以下3つの意味があります。
証約手付 | 手付金を支払う行為そのものが、契約が成立したことの証明になる |
違約手付 | 契約に違反する事態が発生した場合に、手付金が違約金として没収される
|
解約手付 | 契約成立後であっても、以下の対応により相手の承諾を得ずに契約を解除できる
|
つまり、手付金は契約時のトラブルを防ぐためのお金であり、買主・売主双方を保護する役割を果たしています。
手付金を支払うことで気軽に契約をキャンセルされる心配が減り、お互いに安心して手続きを進められるでしょう。
参照
e-Gov法令検索|民法第557条(手付)
e-Gov法令検索|宅地建物取引業法第39条(手付の額の制限等)
建売住宅の手付金は現金で支払うのが原則
手付金は現金で支払う必要があり、住宅ローンには組み入れられません。売主の銀行口座への直接振り込みも原則不可です。一度銀行口座などから現金を引き出し、売主に手渡す必要があります。
手付金を振り込みできない理由は、以下のとおりです。
- 売買契約は土日に行うことが多く、銀行の営業時間外であるため
- 先に振り込んでしまうと、売主の会社が倒産するリスクや、悪質な場合は持ち逃げするリスクがあるため
大きな金額を持ち歩くことに不安を感じる方は、事前に保管方法や現地に向かうルートを考えておきましょう。
また、建売住宅の手付金は金額が大きいため、ATMの引き出し限度額を超えることもあります。平日仕事をしている方は、銀行の営業時間内に窓口に行けるようにスケジュールを調整することをおすすめします。
建売住宅の手付金の相場はいくら?
建売住宅の手付金は現金で準備する必要があるため、事前におおよその金額を把握しておくことが大切です。ここからは、手付金の相場を詳しく見ていきましょう。
手付金の相場は建売住宅の価格の5〜10%
建売住宅を購入する際の手付金は、物件価格の5%〜10%が相場です。例えば、4,000万円の物件を購入する場合、手付金は200万円〜400万円必要になります。
ただし、買主と売主の間で合意を得られれば任意の金額に設定できるため、同程度の価格の物件を購入する場合でも、売主によって手付金が異なる場合があります。
希望の物件が見つかった段階で、手付金の正確な金額を確認しておきましょう。
なお、不動産会社などの宅地建物取引業者が売主の場合、宅地建物取引業法により手付金は契約金額の20%を超えてはいけないと明確に定められています。
極端に高額な手付金を請求されることはないため、安心してください。
参照:e-Gov法令検索|宅地建物取引業法第39条(手付の額の制限等)
建売住宅の購入時には手付金以外に諸費用が必要
建売住宅を購入する際は、住宅の代金以外に「諸費用」がかかります。諸費用とは、主に以下のような費用です。
項目 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
印紙税 | 売買契約書と住宅ローンの契約書に課される税金 | 2万円〜6万円 |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 | 約70万円〜約150万円 |
住宅ローンの | 金融機関に支払う手数料 | 約20万円〜約200万円 |
登記費用 | 建売住宅の所有権や抵当権の届出に関する費用 | 約15万円〜約30万円 |
火災保険料・地震保険料 | 5年〜10年分の保険料 | 約10万円〜約20万円 |
固定資産税・都市計画税 | 引き渡し後の税金を日割りで負担 | 約3万円〜約40万円 |
諸費用の合計金額は、物件価格の5%〜10%相当になることが一般的です。
原則自己資金で支払う必要があるため、建売住宅を購入する際は手付金と諸費用の分として「物件価格の10%〜20%」の資金を準備しましょう。
なお、金融機関によっては、諸費用を住宅ローンに組み込める場合もあります。
手付金は金融機関によらず住宅ローンに組み込めないため、資金に余裕がない方は手付金の分を優先して準備しましょう。
建売住宅の諸費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
ローンの返済負担を減らしたいなら頭金も必要
手付金とよく似たものとして、「頭金」が挙げられます。頭金とは、住宅ローンの借入額を減らすために購入時に支払うお金です。
手付金は基本的に購入時の代金の支払いにあてられるため、頭金の一部となります。
つまり、「住宅の代金ー頭金(手付金を含む)=住宅ローンの借入額」となり、頭金が多いほど住宅ローンの借入額が小さく、毎月の返済の負担や金利の支払額を減らせます。
住宅ローンの頭金は、住宅の価格の10%〜20%程度が相場です。実際に、2022年度フラット35利用者調査によると、建売住宅の代金に対する頭金の割合は平均で約9%でした。
ただし、手付金は法的な意味を持つお金ですが、頭金そのものは法律で定められたものではなりません。頭金ゼロでも住宅は購入できます。
しかし、頭金があると比較的住宅ローンの審査に通りやすく、建売住宅を購入したあとの家計の負担も減らせるため、できる限り用意することをおすすめします。
まとめると、「手付金(物件価格の5%〜10%)>諸費用(物件価格の5%〜10%)>頭金(物件価格の5%〜10%)」の優先順位で自己資金を準備するといいでしょう。
建売住宅の手付金を支払う・返ってくるタイミングはいつ?
建売住宅の購入手続きをスムーズに進めるには、手付金を支払うタイミングを把握しておく必要があります。手付金がいつ返ってくるのかも含めて、資金の流れを確認しておきましょう。
建売住宅の手付金を支払うタイミング
手付金を支払うのは、売買契約書にサインする日です。一般的に、建売住宅を購入する際は以下の流れで手続きを進めます。
- 物件の購入申し込み
- 売買契約の締結・手付金の支払い
- 物件の引き渡しと代金の精算(住宅ローンの融資実行)
売主によっては購入申し込みの際に「申込金」や「申込証拠金」の名称で約5万円〜10万円ほどのお金が必要なケースもありますが、申込金は手付金とは別のものです。
申込金は物件を仮押さえするために支払うお金であり、物件の代金には充当されません。後日あらためて手付金を支払う必要があるため注意しましょう。
また、契約日当日の主な流れは以下のとおりです。
- 宅地建物取引士による重要事項の説明
- 契約内容の確認
- 契約書への署名・捺印
- 手付金と諸費用(必要な場合)の支払い
- 領収書の発行
契約と同時に住宅ローンの審査の手続きも進める場合は身分証や住民票なども必要なため、事前に持ち物を確認しておくとよいでしょう。
建売住宅を購入する際の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
建売住宅の購入の流れを5ステップで紹介|失敗を防ぐポイントとは
建売住宅の手付金が返ってくるタイミング
手付金はあくまで一時的に売主に預けるお金であり、問題なく進めば物件の引き渡しのタイミングで返ってきます。
ただし、直接払い戻されるのではなく、そのまま支払いに充当されることが一般的です。
例えば、以下のケースを想定してみましょう。
- 建売住宅の価格:4,000万円
- 手付金の金額:400万円
- 住宅ローンの借入額:3,600万円
引き渡し日当日に住宅ローンの融資が実行されると、ローンの借入金3,600万円が買主の銀行口座に入金されます。
その後、本来は同じ口座から建売住宅の代金4,000万円が引き落とされますが、あらかじめ売主が手付金400万円を預かっているため、差額の3,600万円のみ引き落とされます。
なお、住宅代金4,000万円全額をローンで借りることも可能です。その場合は引き落とし後に銀行口座に400万円が残り、結果的に手付金が返ってくることになります。
実際には諸費用なども同時に支払うことが多いため、銀行口座の入出金記録だけでは手付金の返金を確認しづらいです。必ず請求書や領収書の内訳を確認しましょう。
建売住宅の手付金を払えない場合の対処法3つ
手付金は数十万円〜数百万円の現金が必要なため、準備が間に合わない方もいるでしょう。払えない場合は、以下3つの方法を検討してみてください。
- 売主と手付金の金額を交渉する
- 親族・友人などに不足分を借りる
- カードローンで手付金を用意する
順番に詳しく解説します。
売主と手付金の金額を交渉する
法律により手付金の上限額は定められていますが、下限額の定めはありません。
不動産会社によっては手付金が5万円〜10万円程度と少額のケースもあるため、無理なく支払える金額になるよう交渉してみましょう。
ただし、手付金の金額を交渉すると、売主が支払い能力に不安を感じる可能性があります。建売住宅はほかの買い手を探すことも可能なため、契約を断られるリスクがある点に注意してください。
交渉する際は、以下2点をアピールするとよいでしょう。
- 物件を購入する意思が固いこと
- 住宅ローンの審査に通る可能性が高いこと(安定した収入があるなど)
また、極端な値下げを求めると断られる可能性が高いため、できるだけ手付金の相場(物件価格の5%〜10%)に近い金額で交渉することをおすすめします。
親や親戚などに不足分を借りる
気に入った建売住宅が見つかり逃したくない場合は、両親や親戚に協力してもらい、一時的に現金を用意することも検討してみましょう。
住宅代金の全額をローンで組めれば、融資がおりたタイミングですぐに返済できます。
建売住宅の場合は契約から引き渡しまで1ヵ月かからないことも多く、短期間であれば比較的貸してくれる人を探しやすいでしょう。
ただし、金銭の貸し借りは近しい間柄ほどトラブルになりやすいため、「借用書」を作成するのがおすすめです。
【借用書に記載する項目】
- お金を借りた日付
- お金を貸した人の氏名
- お金を借りた人の氏名・住所・捺印
- 借入金額
- 返済期日
- 返済方法(一括返済・分割返済など)
- お金を借りたことを示す文章
特に、親や親戚との間であっても、大きな金額のやり取りがあると「贈与税」が課される可能性があります。「贈与」ではなく「借金」であることを明確に示す意味でも、借用書を作成しておくと安心です。
カードローンで手付金を用意する
手付金をどうしても現金で準備できない場合は、カードローンで融資を受ける方法もあります。カードローンを利用すれば最短数十分で審査が終わり、コンビニなどのATMですぐに現金を引き出せるでしょう。
ただし、カードローンは最後の手段であり、本来はおすすめできません。
手付金をカードローンで用意した場合、借金がある状態で住宅ローンの本審査を受けることになるためです。
他社への借入がある状態は審査上不利であり、融資額を引き下げられるか、融資そのものを受けられない恐れがあります。
また、仮に問題なく契約できたとしても、住宅ローンとカードローンの両方を返済する必要があり、家計への負担が大きくなるでしょう。
気に入った建売住宅が見つかった場合でもあせらず計画的に貯金し、できる限り自己資金を用意してから契約することをおすすめします。
建売住宅の手付金に関するよくある質問
最後に、建売住宅の手付金に関するよくある質問を紹介します。
- 建売住宅の手付金なしになるケースはありますか?
- 住宅ローンの審査に落ちたら手付金はどうなりますか?
- 手付金の支払い後に建売住宅の購入をキャンセルできますか?
契約日に落ち着いて手続きを進められるよう、不安や疑問は事前に解消しておきましょう。
Q1|建売住宅の手付金なしになるケースはありますか?
建売住宅の売主によっては、手付金なしで契約できるケースがあります。しかし、手付金には売主だけではなく買主を守る役割があるため、少額でも支払うことが望ましいです。
例えば、手付金なしの場合、契約後に何らかの理由で解約を申し入れた場合に損害賠償を求められる可能性が高いです。
損害賠償金や違約金は手付金よりも高額であり、数百万円単位になることも少なくありません。
また、売主から一方的に解約されるリスクも高まります。賃貸の退去手続きを終えたあとで建売住宅を購入できなくなると、住む場所に困ってしまうでしょう。
無理に手付金なしの物件を探すよりは、手付金の減額の交渉や、一時的にでも現金を用意するなどの方法で対応することをおすすめします。
Q2|住宅ローンの審査に落ちたら手付金はどうなりますか?
住宅ローンの契約には、審査に落ちた場合に備えて「融資利用特約」が設けられていることが一般的です。
融資利用特約とは、期日までに融資の承認がおりなかった場合、買主が無条件で契約を解除できることを定めた条項です。
融資利用特約を適用すれば、住宅の代金の支払いや損害賠償金を請求されることはなく、売主からすみやかに手付金を返してもらえるでしょう。
ただし、申請書類に不備・虚偽があったり、事前審査のあとに転職したり他社のローンを利用したりするなど、買主の過失により審査に落ちた場合は融資利用特約を適用できません。
建売住宅を購入する際は、事前にご自身の年齢や収入などの条件を確認し、必ず詳細な資金計画を立ててから契約手続きを進めましょう。
Q3|手付金の支払い後に建売住宅の購入をキャンセルできますか?
手付金を支払ったあとでも、建売住宅の購入をキャンセルすることは可能です。ただし、タイミングによってキャンセル後の対応方法が変わります。
キャンセルするタイミング | 対応 |
---|---|
売買契約書にサインする前 | 手付金は全額返金される |
売買契約書にサインしたあと | 手付金は没収される |
売買契約成立後、 | 手付金は没収され、場合によっては違約金・損害賠償金を請求される |
民法や宅地建物取引業法では、手付金を放棄することで解約できるのは「売主が契約の履行(りこう)に着手する前まで」と定められています。
引き渡しの直前などの明らかに遅いタイミングでキャンセルを申し入れると、売主に大きな損害が発生するためです。
手付金を失うことはもちろん、違約金や損害賠償金、場合によっては仲介手数料などの諸費用を支払う必要があるでしょう。
購入を申し込む際は原則キャンセルできないものと考え、後悔しないかどうか十分検討してから物件を選ぶことをおすすめします。
参照
e-Gov法令検索|民法第557条(手付)
e-Gov法令検索|宅地建物取引業法第39条(手付の額の制限等)
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まとめ:建売住宅の手付金は計画的に準備しよう
建売住宅の手付金の相場は物件価格の5%〜10%ほどであり、契約日当日に現金で手渡すのが一般的です。
支払った手付金は住宅の代金に充当されるか、住宅ローンの融資実行のタイミングで銀行口座に返ってきます。
どうしても払えない場合は、売主に手付金を減額できるか交渉したり、一時的に親族などに借りたりするとよいでしょう。
手付金なしでも契約できる物件もありますが、手付金を支払うのは契約時のトラブルを防いで売主と買主双方を守るためです。
安心して手続きを進めるためにも、契約に向けて計画的に資金を準備することをおすすめします。
吉本えり
二級建築士・整理収納アドバイザー1級資格保有。大学院まで建築学を専攻し、ハウスメーカーでの勤務を経てWebライターとして独立。建築、不動産、インテリアなど住まいに関する記事を執筆しています。執筆実績100記事以上。
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