分譲住宅のメリット・デメリット|購入時のチェックポイントも解説
分譲住宅は、ハウスメーカーなどが開発した分譲地で土地と建物がセットで販売される住宅です。分譲住宅の購入を検討する場合、建物だけでなく分譲地を含めてメリットやデメリットを知っておくことが大切です。 この記事では、分譲住宅のメリットとデメリットを紹介するとともに、購入時に必ずチェックしたい5つのポイントを解説しますので参考にしてください。
目次
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分譲住宅と注文住宅・建売住宅との違い
分譲住宅と注文住宅の違いは、分譲住宅が土地と建物をセットで購入するのに対し、注文住宅は購入した土地に一から建物を建てる点です。注文住宅にもフルオーダーのものからセミオーダーのものまでいくつか種類がありますが、間取りや外観デザイン、設備や仕様を自由に選ぶことが可能です。
一方、分譲住宅と建売住宅は、土地と建物がセットで販売される点は同じで、ほぼ同じ意味で使われることもあります。
違いとしては、分譲住宅は、ハウスメーカーなどが開発した複数の分譲地で建てられる住宅を指し、大規模なものだと100区画を超えるものまであります。一方、建売住宅は、住宅地のなかで1区画から販売されていることも多いです。
分譲住宅7つのメリット
分譲住宅のメリットについて、分譲地の特徴も含めて解説します。
- 価格を抑えやすい
- 資金計画が立てやすい
- 間取りや日当たりを体感できる
- 引渡し・入居までの期間が短い
- 住環境が整備されて暮らしやすい
- 欠陥に対する保証がある
- 資産価値がある・将来売却しやすい
価格を抑えやすい
分譲住宅は、間取りや外観を統一し、内装や建材、設備などを共通のものを使用しています。建築原価や人件費、広告費を削っているため、販売価格が抑えやすい特徴があります。注文住宅のような自由度はない分、設計や監理コストが抑えやすく、大きな土地を仕入れて複数の区画を販売するスケールメリットもあります。
一方、注文住宅の場合、分譲住宅のようなスケールメリットを活かしたコストダウンは難しくなります。
また、諸費用についても、土地購入時の仲介手数料や地盤調査にかかる費用、住宅ローンのつなぎ融資の費用や祭事費用など、分譲住宅と比べかかりやすい傾向です。分譲住宅の場合、住宅会社から直接購入すれば、仲介手数料はかからず、諸費用を抑えやすいといえます。
資金計画が立てやすい
分譲住宅は、土地と建物をセットで購入するため資金計画が立てやすい点もメリットです。住宅ローンも、販売価格と諸費用に対して1本で組むことができます。
一方、注文住宅では、土地を購入し売買契約から決済、引渡し、その後、建築工事の請負契約を締結、着工、引渡しという流れのなかで、さまざまな付帯工事費や諸費用を見積もる必要があります。そのため、最初に資金計画をしっかりと立てないと予算オーバーにもなりかねません。
また、注文住宅では、土地購入後に地盤改良費が発生したり、設計変更による追加費用など事前に把握することが難しい費用が発生する可能性もあります。住宅ローンのつなぎ融資を利用する場合は、諸費用や引渡しまでの利息負担まで見込んでおくことが必要です。
この点、建物完成済みの分譲住宅では、資金計画が立てやすく、引渡し時期も明確な分、予算オーバーのリスクは小さいといえるでしょう。
間取りや日当たりを体感できる
完成済みの分譲住宅であれば、実際に間取りや生活動線を確認できる点もメリットです。日当たりや風通し、隣接住戸や道路からのプライバシー面を確認することもできます。もし、近くに幹線道路や線路があり、音の問題が気になる場合は、時間帯を変えて確認することも可能です。
注文住宅の場合、ライフスタイルにあわせて間取りや空間を作ることができますが、シミュレーションをしっかりしていないとイメージと違う、家事や生活動線が悪いということが起こりかねません。ただし、分譲住宅でも未完成物件を購入する場合は、同様のリスクはありますので注意してください。
引渡し・入居までの期間が短い
分譲住宅の場合、契約から入居までのスケジュールが立てやすく、完成済の物件であれば購入申込から引渡しまで1ヶ月以内ですすめられる場合もあります。引渡しまでに時間がない方にはおすすめです。
また、家を購入して入居するまでの間、引っ越し手続きのほか、学校関係の手続きや家具・家電の購入、電気、ガス、通信回線の手配など、準備することは数多くあります。引渡し時期が明確な分譲住宅の場合、こういったスケジュール調整もしやすいといえるでしょう。
住環境が整備されて暮らしやすい
規模にもよりますが、分譲地は1つの街として整備され、暮らしやすい落ち着いた住環境になっていることが多いです。
土地が新しく区画されるだけでなく、道路や水道、ガスなどのインフラも新しく整備された環境で生活できる点はメリットといえるでしょう。
一定の道路幅が確保され、公園やゴミステーションなどが整備されることも多く、子育て世帯にも安全、快適に住みやすい環境が整備されていることも少なくありません。
欠陥に対する保証がある
新築の分譲住宅は、法律上10年間の保証(瑕疵担保責任)が義務付けられています。保証を受けられる箇所は、建物の基礎や外壁、屋根など構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防ぐ部分です。
対象となる部分に欠陥が見つかった場合、無償で補修してもらうよう請求することができます。これら以外の箇所でも、住宅会社独自の地盤保証やシロアリ保証、アフターメンテナンスが付いている場合もあります。
資産価値がある・将来売却しやすい
立地条件に左右されますが、分譲住宅は資産価値が維持しやすく、将来売却しやすい点もメリットとして挙げられます。
売却時期にもよりますが、長期の視点で考えた場合、建物の価値は築年を経るごとに減少していく一方、土地は償却しない資産ですので、土地の資産性は大切です。
土地の資産価値でポイントとなるのは、立地条件のほか、土地面積や形状、前面道路や接道状況です。分譲地の場合、開発規模によっては最低敷地面積が指定されている場合もあり、一定の広さの土地面積が確保されているケースは少なくありません。
また、整形地に一定の幅の道路に接道している点は、土地としての資産価値は高いといえます。
建物については、注文住宅で個性的なデザインや間取りにこだわり過ぎると、売却時に購入層が絞られる可能性もあります。分譲住宅で採用される外観や間取りは、ファミリー層一般に受け入れられやすいものが多いため、幅広い購入層に対して需要が見込まれるでしょう。
ただし、資産価値を考えるときには立地条件が重要なポイントとなりますので、資産性を重視するのであれば、交通利便性や生活利便性を含めて購入判断することが大切です。
分譲住宅4つのデメリット
次に、分譲住宅のデメリットについて解説します。
- 間取りやデザインを自由に選べない
- 土地の広さやかける費用は選べない
- 近隣にどんな人が住むか分からない
- 似た外観やサイズの住宅で個性を感じにくい
間取りやデザインを自由に選べない
分譲住宅は、間取りや外観、仕様は基本的に決まっているため自由に選ぶことはできません。建物の完成状況によっては、内装や色などを選べる場合もありますが、注文住宅のような自由度がない点はデメリットといえます。
また、住宅性能にも、断熱性能や耐震性、耐久性などさまざまな項目があります。注文住宅の場合、重視する点にあわせて住宅性能にこだわることもできますが、分譲住宅の場合、販売される住宅によって決まりますので選ぶことはできません。
土地の広さやかける費用は選べない
土地と建物がセットで販売される分譲住宅では、土地の広さやかける費用を選ぶことはできません。注文住宅の場合、予算のなかで土地にかける費用、建物にかける費用のバランスを決められます。
一方、土地と建物をセットで購入する分譲住宅では、土地や建物にかける予算は決まっており、建物の間取りやデザインとあわせて、土地面積や周辺環境、資産価値まで含めて判断しなければなりません。
建物面積は狭くていいのでもっと広い土地がいい、あるいはもっと狭い土地でもいいので建物に費用をかけたいということはできません。
近隣にどんな人が住むか分からない
分譲住宅では、同時に複数の区画が販売され、新しいコミュニティが形成されます。その点は、メリットとも考えられますが、隣にどういった人が住むのか、近隣の住民はどのような人かは住んでからでないと分かりません。
分譲地の中で新たなコミュニティや人間関係が形成され、一定程度コミュニケーションをとりながら生活していく必要はありますので、どういったコミュニティができるか分からない点はデメリットといえるかもしれません。
似た外観やサイズの住宅で個性を感じにくい
分譲住宅は、価格を抑えるためのコスト削減や街並みの調和を図るという面でも、同じ外観や仕様の建物が多くなります。
同じ外壁材や屋根材を使いながら、間取りやデザインに変化がつけられている分譲住宅もありますが、個性的なデザインや形にこだわりたいという人にはデメリットと感じるかもしれません。
建売住宅との違い、分譲住宅のメリット・デメリットについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
分譲住宅をおすすめしやすい人
ここまでの分譲住宅のメリット、デメリットを踏まえて、向いている人を紹介します。
デザインや間取りに強いこだわりがない
建物の外観や間取りの自由度に強いこだわりがない人は分譲住宅に向いているといえるでしょう。
分譲地内では、土地の広さから建物の外観まで調和させた街並みができやすいです。よって、デザインや間取り、空間に強いこだわりがある人は注文住宅が向いているといえます。
予算を抑えつつ一定の広さが欲しい
予算を抑えながら、一定の広さの土地や建物に住みたい人にも分譲住宅はおすすめです。
分譲住宅は、複数の土地を分譲し、同じ建材や仕様で建てることでコスト削減を図っているため、資金計画として住宅ローンの借入金額を減らし、購入後の返済負担をできるだけ減らしたい人に向いているでしょう。
注文住宅でもコストを意識しながら家づくりをすすめることはできますが、予算を抑えるために仕様や設備に妥協しなければならないと注文住宅のメリットは小さくなります。また、コストダウンのために土地面積や建築面積が小さくなってしまうことも考えられます。
新しい環境で生活したいファミリー層
建物だけでなく新しい住環境で生活をスタートさせたい人に分譲住宅はおすすめです。
道路や生活インフラ、公園などが、その時代の法律やニーズを踏まえて開発されますので、昔に開発された住宅地とは異なる面もあるでしょう。
また、同じ年代のファミリー層とともに、一からコミュニティを形成していけるため、新しく築く人間関係やルールのもと新生活を始められます。
引渡しまでの時間が限られている
引渡しまでの時間が限られている人や家選びに時間や手間をかけたくない人にも分譲住宅はおすすめです。
子どもの学校や職場の異動などで時間があまりない、住んでいる賃貸住宅の更新時期に間に合わせたいという人もいるでしょう。
完成済みの分譲住宅であれば、売買契約後、住宅ローン手続きをスムーズに進めれば1ヶ月以内での引渡しも可能です。
また、注文住宅で必要となる、土地探しから契約、決済手続き、また、建物プランの打合せを重ねたり、住宅ローンの手続きに手間をかけたくない人も分譲住宅が向いているといえるでしょう。
分譲住宅の購入時に確認したい5つのチェックポイント
気に入った物件が出てくれば、購入判断の前に細かい点を含めて確認が大切です。最後に、分譲住宅を購入する際に確認すべき5つのチェックポイントについて解説します。
- 壁やフローリングのキズ・設備の不具合などをチェックする
- オプションや外構工事の費用を見積もる
- 未完成物件は間取りや日当たりを慎重にチェックする
- 立地条件と周辺環境を確認する
- 住宅性能や地盤などをチェックする
壁やフローリングのキズ・設備の不具合などをチェックする
分譲住宅では、多くの人が内覧会で出入りしていますので、壁やフローリングなどのキズや破れ、設備やドアの不具合箇所などをしっかりとチェックしましょう。また、床下や天井裏など見えない部分も、施工不良や放置された部材がないかなど確認することが必要です。
補修箇所があれば写真やメモなどで記録に残したうえで報告し、いつまでに補修してもらえるか確認します。このとき補修してもらう期限を書面でもらうようにしましょう。
オプションや外構工事の費用を見積もる
販売価格に含まれる費用や外構工事にかかる費用をしっかりと見積もりましょう。
分譲住宅のオプション工事は、販売事業者によって異なりますが、カーテンレールや網戸、テレビアンテナ、照明などは必要となるケースは多いでしょう。その他、食洗器や室内干し、シャッター、非接触型ICカードキーを設置する場合など、必要なオプション費用は資金計画に含めておく必要があります。
また、外構工事の施工範囲もさまざまですので、特に、外構にもこだわりたい場合などは必要な工事内容を把握し、しっかり見積もることが大切です。その他、表札や引越し代、新居に合わせた家具、家電の購入資金も考えておく必要があります。
分譲住宅のオプションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
建売住宅のオプションはいつ決める?おすすめ一覧と相場や流れ・期限を紹介
未完成物件は間取りや日当たりを慎重にチェックする
未完成物件の場合、間取りや日当たりを体感できないため慎重にチェックする必要があります。図面上で居室の広さや通路幅など、家具の配置や家事・生活動線をイメージしながらチェックしましょう。
建築中の現場を確認する際は、間取りの方角や接道状況から日当たりやプライバシー面などもできるだけ確認しましょう。
立地条件と周辺環境を確認する
分譲地は郊外に作られることも多いため、買い物や通勤通学の利便性などもしっかりと確認が必要です。特に、初めて住む地域であれば、子どもの通学路や駅までの道のりも含めて安全性や防犯面を確認しましょう。
通勤や通学、日々の買い物は毎日のことですので、安易に妥協してしまい、生活し始めてから後悔することがないように注意が必要です。また、用途地域を確認することで将来周辺に建てられる可能性のある建物を知ることもできます。
住宅性能や地盤などをチェックする
耐震性や省エネ性能など住宅性能や地盤についてチェックしましょう。
住宅性能は目に見えないものですが、住宅性能評価表示制度にもとづいて第三者機関による客観的な評価を受けている物件もあります。
省エネ性能が高い住宅ほど光熱費の削減につながりやすいですし、耐震性の高い住宅であれば地震保険の割引が適用されるなどのメリットもあります。
建売住宅の耐震性について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
建売住宅の耐震等級はどのくらい?強さの目安と確認方法を詳しく解説
まとめ:分譲住宅のメリット・デメリットを理解した家選びをしよう
分譲住宅には、分譲地の特徴を含めて、メリット、デメリットがあることが分かって頂けたのではないでしょうか。
家を買うとなれば、家づくりや土地探しにどこまでこだわるか、また、どれだけの予算や時間、手間をかけられるかによって選択肢は変わります。
そのなかで、分譲住宅は、新しく住環境として開発された分譲地で、コストを抑えながら一定程度の広さの土地、建物が購入できる住宅といえます。
間取りや外観に強いこだわりがある場合は難しいかもしれませんが、希望する立地条件や周辺環境であれば、マイホーム購入の有力な選択肢となるでしょう。ぜひ参考にしてください。
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建売住宅でも外観の種類からクロスや建具、照明など住む人の好みに合わせてカスタマイズできるデザイン住宅となっています。資金計画から間取り、デザインまでご相談可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
吉満博
ゼネコン、ハウスメーカーで建築設計に従事後、自身の住宅購入をきっかけに不動産売買事業を始める。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性踏まえた長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供。これまでの実務経験を活かし、2023年から不動産・金融メディア中心にライターとしても活動。自身のサイトで不動産売買や住宅ローン等のお役立ち情報発信。
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