30代のマイホーム購入は理想的!?
メリットから注意点まで解説
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30代のマイホーム購入は理想的!? メリットから注意点まで解説

30代は、結婚や子どもの誕生を機に、リタイア後の生活を含めて、マイホーム購入を真剣に考え始める時期でもあります。 国土交通省の調査をみても、30代でマイホームを購入する人は少なくありません。 早ければ20代、また40代や50代で初めて住宅購入する人もいるなか、30代と他の年代と何が変わり、どのようなメリットがあるのでしょうか。 そこで本記事では、実際にどれくらいの人が30代でマイホームを購入しているかを紹介したうえで、30代に家を買うメリットや注意点を解説します。

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30歳でマイホーム購入する人の割合

はじめに、30代で住宅を購入する人の割合と購入のきっかけとなった理由を紹介します。

30代でマイホームを購入する人の割合が最も高い

以下の表は、国土交通省の住宅市場動向調査から、マイホームの一次取得者(初めて住宅を購入した人)の割合と平均年齢を物件種別ごとにまとめたものです。

物件種別

30代の割合

平均年齢

注文住宅

46.0%

40.1歳

分譲戸建住宅

51.4%

36.6歳

分譲集合住宅

51.0%

39.9歳

既存戸建住宅

36.4%

43.1歳

既存集合住宅

39.5%

44.2歳

参照:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」

すべての物件種別において、30代で住宅を購入する人の割合が最も多くなっています。

物件種別で違いはあるものの、平均年齢でみると30代後半から40代前半でマイホームを購入する人が多いといえます。

また、分譲戸建住宅ならびに分譲集合住宅購入者の半数以上を30代の人が占めている一方、中古住宅(既存戸建て住宅・既存集合住宅)では40代の割合が高い傾向です。

この調査結果から、実際に30代で住宅購入をする人が最も多いことが分かります。

マイホーム購入のきっかけ

30代で住宅を購入する人が多い理由について、購入動機から考えてみましょう。

次の表は、株式会社リクルートの「住宅購入・建築検討者」調査(2023年)をもとにマイホームを購入した理由と全体に占める割合をまとめたものです。

理由

全体に占める割合

子どもや家族のため、家を持ちたいと思った

22%

もっと広い家に住みたかった

20%

持ち家の方が自由に使えて気兼ねがない 

17%

老後の安心のため、住まいを持ちたいと思った

16%

もっと新しい家に住みたかった

13%

資産を持ちたい、資産として有利だと思った

12%

もっと生活に便利なところに住みたかった 

11%

現在の住居費が高くてもったいない

11%

持ち家の方が住宅の質が良い

10%

結婚を機に家を持ちたいと思った 

8%

参照:株式会社リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」


子どもの誕生などのライフイベントにあわせて広い家に住みたい、便利な場所に住みたいというニーズが多いことがわかります。

厚生労働省の令和5年人口動態統計調査によると、第一子出生時の母の平均年齢は31.9歳となっており、30代で子どもをもうけ、子どもや家族のためにより快適な住環境を求める方が多いといえるでしょう。

また、老後の安心のため、あるいは住居費が掛け捨てとなる賃貸住まいより資産となるマイホームを持ちたいと考える方も一定数います。

子どもを持ち家族構成が変わることをきっかけに、現在の住環境を充実させたいと考える方は少なくありません。

同時に、人生における住宅コストやリタイア後の住居の確保などを真剣に考え始めることから、30代でマイホーム購入に踏み切る人が多いと考えられます。

参照:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況

30代でマイホームを購入するメリット

では30代でマイホーム購入するメリットとして、どういったことが考えられるのでしょうか。30代の次いで多い40代でのマイホーム購入と比べながら解説します。

  1. リタイアまでに住宅ローンを完済できる
  2. 住宅ローン審査に通りやすい
  3. 家族構成に合わせた家づくりができる
  4. 子どもが独立するまで長い時間を過ごせる
  5. 団体信用生命保険に加入しやすい

リタイアまでに住宅ローンを完済できる

30代でマイホームを購入することで、リタイアまでに住宅ローンを完済できるのがメリットです。

次の表は、国土交通省の調査をもとに、物件種別ごとの住宅ローン返済期間をまとめたものです。

物件種別

住宅ローン返済期間

注文住宅(建築)

32.7年

注文住宅(土地)

34.4年

分譲戸建住宅

29.7年

分譲集合住宅

28.0年

既存戸建住宅

26.2年

既存集合住宅

29.0年

参照:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」

土地付きの注文住宅では、返済期間が34.4年と、一般的な35年間という借入期間に近い長さとなっています。

その一方、注文住宅以外の物件種別では、返済期間は30年を下回り、既存戸建住宅では26.2年と最も短くなっています。

厚生労働省の調査では、60歳定年制を採用している企業は72.3%、65歳以上で定年制を設けている企業が24.5%です。

加えて、94.2%の企業が定年後の勤務延長制度あるいは再雇用制度を設けています。

これらの点を踏まえると、30代で購入すれば定年あるいはリタイア前に住宅ローンを完済することも十分に可能です。

参照:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査 結果の概況(定年制等)」

住宅ローン審査に通りやすい

30代でマイホームを購入するメリットとして、40代以降の方と比べて住宅ローン審査に通りやすい点があげられます。

以下の図は、金融機関が融資を行う際に考慮する項目を表したものです。

参照:国土交通省「令和5年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書

金融機関が融資を行う際に考慮する項目として「完済時年齢(98.5%)」「借入時年齢(98.0%)」と、ほとんどの金融機関が借入時と完済時の年齢を重視していることがわかります。

また、92.0%の金融機関が重視している項目が「返済負担率」です。

返済負担率とは、年収に占める1年間の住宅ローンその他の返済額が占める割合です。

同じ借入金額でも返済期間が短くなるほど返済負担率は高くなるため、住宅ローン審査時の借入期間は重要になります。

この点、完済時の年齢制限を80歳未満としている金融機関が多いなか、35年の返済期間で組むには44歳までにマイホームを購入することが必要です。

30代で購入すれば、35年の返済期間でも組みやすく、返済負担率を下げやすいことから審査上もプラスに働きやすいといえるでしょう。

家族構成に合わせた家づくりができる

30代になると子どもをもうけている家庭も増え、家族構成が固まり出す時期といえます。

そのため、20代と比べ世帯人数や子どもの年齢、性別を踏まえた家づくりがしやすいといえます。

また、購入する立地を決める際、子どもの学校区を考慮しながら住環境や進学時期に合わせて進められる点もメリットといえるでしょう。

子どもが独立するまで長い時間を過ごせる

30代であれば子どもがまだ小さい家庭が多く、子どもが独立するまでマイホームで長く一緒に生活できる点もメリットといえます。

「マイホーム購入のきっかけ」で紹介したとおり、子どもや家族のために家を持ちたいという方は少なくありません。

子どもが家を出た後は部屋が余ってしまうことも少なくないなか、進学や就職、あるいは結婚などで独立するまで長く一緒に過ごせる点はメリットといえるでしょう。

団体信用生命保険に加入しやすい

民間の住宅ローン商品では団体信用生命保険(以下、団信)への加入が必須です。

30代であれば持病や既往歴が少なく、団信に加入しやすい点もメリットといえるでしょう。

団信とは、住宅ローン契約者が死亡あるいは高度障害になった場合に、住宅ローンの負担を家族に残さないための保険です。

フラット35など団信の加入が任意となっている住宅ローン商品もありますが、団信の加入が難しい場合、住宅ローンの選択肢が限られてしまいます。

引受条件を緩和した団信(ワイド団信など)の取扱いもありますが、一般の団信より金利が高くなる傾向です。

また団信には、がんや3大疾病などの特約を付けた特約付き団信があり、年齢によって保険料(上乗せ金利)が異なります。

例えば、住信SBIネット銀行の「スゴ団信」では、3大疾病100プラン(ガン・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態になった場合に住宅ローン残高の100%を保障する商品)という商品があります。

この商品では、40歳未満では上乗せ金利0.2%で加入することができますが、40代以上で加入する場合の上乗せ金利は0.4%です(2025年1月時点)。

このように、年齢によって団信の保険料が異なる金融機関は少なくありません。

参照:住信SBIネット銀行「スゴ団信」

30代でマイホームを購入するデメリット

30代でマイホームを購入するデメリットとして、収入の見通しや家族構成が固まっていないと、ライフプランや家族構成に合わせた家づくりがしにくい点が挙げられます。

30代だと転職するとしても最後の年代と考える人も多く、収入や勤務地など労働環境が変わる可能性があります。

また、30代で子どもが増えて家族構成が大きく変化する人もいるでしょう。

30代でマイホームを購入するとき注意点

では、30代でマイホームを購入する場合、どういった点に注意すべきなのでしょうか。

ここでは、4つのポイントについて解説します。

  1. 無理のない資金計画を立てる
  2. 長期の視点で住宅ローンの返済以外に必要な維持費を考える
  3. 変動金利の金利上昇のシミュレーションする
  4. 住み替えを踏まえた物件選びと資金計画を立てる

無理のない資金計画を立てる

まず、無理のない資金計画を立てることが重要です。

30代であれば35年ローンを組んで借りられるため、返済負担率を抑えることができ借入金額を増やすこともできます。

また、多くの金融機関では、土地、建物代金だけでなく登記費用や印紙税、仲介手数料などの諸費用を含めて借りることが可能です。

ただし、住宅購入用に準備できる自己資金と無理のない借入金額から、購入後も経済的に安心できる資金計画を立てることが重要です。


特に、ペアローンなどで夫婦2人の収入で購入する場合は、借り入れできる金額も大きくなりやすいため注意が必要です。

住宅購入の諸費用について知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

長期の視点で住宅ローンの返済以外に必要な維持費を考える

住宅ローンの返済計画を立てるうえで、固定資産税や火災保険、将来の修繕費の積立などの維持費を含めて、長期視点で考えることが大切です。

マンションを買うか、一戸建てを買うかでも維持費の負担は異なります。

そのため、住宅ローン返済に維持費の負担を加えた住宅コストがどれくらいかかるかという視点で考えると失敗は少なくなるでしょう。

また、住宅ローンの借入期間を決めるとき、初めから返済期間を短くし過ぎないことも大切です。

借入期間を短くするほど総返済額は抑えられますが、毎月の返済額は増えます。30代でマイホームを購入して、子どもの教育資金の積み立てや老後資金の貯蓄なども長期の視点で考える必要があります。

子どもの成長に合わせて家計の状況が変化していくことも考えなければなりません。

そのため、最初から借入期間を短くしないことが重要です。

住宅ローン契約時は長めに借入期間を設定し、返済期間中に余裕があれば繰り上げ返済を活用しつつ、完済までの期間を短縮することを検討してみましょう。

変動金利の金利上昇のシミュレーションする

住宅ローン利用者のおよそ8割から変動金利タイプが選ばれています。

このとき、金利上昇時のシミュレーションをしておくことが大切です。

変動金利型の住宅ローンは、日銀の金融政策の影響を受けやすく、半年ごとに金利が見直しされる可能性があります。

2024年7月には、日銀の金融政策で利上げを決めたことにより、一部金融機関では変動金利タイプの金利が0.15%~0.25%程度の上昇がみられました。

2025年以降、大幅な金利上昇は考えにくいとしても金利上昇の可能性はあります。

金利上昇によって毎月の返済額がどの程度変わるか、住宅ローン返済や家計へどの程度影響があるかは、借入金額や返済負担率などによって一人ひとり異なります。

多くの金融機関のサイトでは、住宅ローンのシミュレーションができるようになっています。変動金利タイプを借りられる方は、金利上昇の影響をシミュレーションしておくとよいでしょう。

参照:国土交通省「令和5年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」

住み替えを踏まえた物件選びと資金計画を立てる

将来、子どもの独立などに合わせ住み替えを計画する場合、住み替えを想定した物件選びや資金計画を立てることが大切です。

住み替えで、マイホームを売却するときに重要になるのは立地です。一定程度、購入者の需要が多い立地にこだわることも必要かもしれません。

また、資金計画を考えるときに、できるだけ自己資金を準備することで住み替え時に売却しやすくなります。

物件の価格(資産価値)より住宅ローン残高が多い状態を、いわゆるオーバーローンといいます。売却時にオーバーローンの状態であれば自己資金が必要となる可能性があります。

自己資金や頭金をできるだけ準備することで、将来の住み替えも視野にいれやすくなるでしょう。

30代前半と後半でマイホーム購入した時のシミュレーション

ここでは、30代のマイホーム購入について、30代前半と後半で購入した場合を比較してみます。

以下の表は、物件種別ごとに住宅購入資金(一次取得者)をまとめたものです。

物件種別

購入資金

注文住宅(土地付き)

5,527万円

分譲戸建住宅

4,183万円

分譲集合住宅

4,527万円

既存戸建住宅

2,871万円

既存集合住宅

2,648万円

参照:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告祖」

物件種別で購入資金に差がありますが、分譲戸建て住宅の購入資金は、およそ4,200万円となっています。

ここでは4,200万円の新築戸建てを32歳と38歳で購入した場合をシミュレーションしてみます。

前提条件は、次のとおりです。

32歳で準備できる自己資金は、38歳時より200万円少ない一方、住宅ローンの返済期間は32歳の方が5年長く組む前提としています。

【前提条件】

  • 購入資金4,500万円(物件価格:4,200万円 諸費用:300万円)
  • 住宅ローン金利:【変動金利】年率0.50%【全期間固定金利】年率1.80%
  • 返済方法:元利均等返済・ボーナス返済なし

購入時の年齢

32歳

38歳

購入資金

4,500万円

4,500万円

自己資金

400万円

600万円

借入金額

4,100万円

3,900万円

返済期間

35年

30年

以下の表は、32歳と38歳で購入した場合の毎月の返済額と65歳時点の住宅ローン残高をまとめたものです。

購入時

の年齢

借入金額

(返済期間)

金利

毎月返済額

65歳時点の

住宅ローン残高

32歳

4,100万円

(35年)

0.50%

106,430円

254万円

1.80%

131,647円

310万円

38歳

3,900万円

(30年)

0.50%

116,683円

416万円

1.80%

140,282円

491万円

※65歳時点の住宅ローン残高は1万円未満を切り捨て

32歳と38歳で購入したときの毎月の返済額は、およそ1万円の違いがあります。これは、借入金額は200万円少ないものの、借入期間を30年としているためです。

また、65歳時点の住宅ローン残高は、32歳で購入した場合のほうが、借入金額が多いものの38歳で購入した場合より100万円以上少なくなります。

早く住宅ローン返済を始めることで、リタイア時点あるいはリタイア後の住宅ローン残高を減らすことができ、それだけ住宅ローンの繰り上げ完済するための資金も少なくできます。

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30代でマイホームを購入される方にも満足いただける洗練されたデザイン性と経済性を兼ね備えた住宅となっています。

資金計画から土地探しまでお気軽にご相談ください。

まとめ:30代はマイホーム購入のタイミングとして理想的

家族構成や収入が安定してくる時期でもある30代は、物件種別に関係なくマイホームを購入する人が最も多くなります。

住宅ローン完済時期や老後の住まいの確保を考えると同時に、家賃を払い続けるかを真剣に考えだす時期でもあります。

30代はマイホーム購入に一番ふさわしい時期といえますが、無理のない資金計画、金利上昇や家計の変化を踏まえた住宅ローン返済計画を立てることがポイントです。

デザインや間取りなど家づくりにこだわりながらも、購入後も安心して暮らしたいという方は、ハウスドゥ・ジャパンの建売住宅ブランド「SHIRO」をぜひご検討ください。

購入時の年齢や収入を踏まえ、家族構成やライフスタイルに合わせた家づくりを提案させていただきます。

吉満 博

吉満 博

ゼネコン、ハウスメーカーで建築設計に従事後、自身の住宅購入をきっかけに不動産売買事業を始める。不動産の購入から売却まで出口戦略、資産性踏まえた長期の視点で不動産コンサルティング・売買仲介サービスを提供。これまでの実務経験を活かし、2023年から不動産・金融メディア中心にライターとしても活動。自身のサイトで不動産売買や住宅ローン等のお役立ち情報発信。

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