建売住宅はなぜ安い?5つの理由とリスクの高い物件を避けるコツを解説
建売住宅は注文住宅より安い印象があるものの、なぜ安いのか理由がわからないという方は多いのではないでしょうか。 「安いもの=品質が悪い」といった否定的なイメージを抱きやすいため、大切なマイホームに建売住宅を選んでよいかどうか不安になる方もいるでしょう。 そこで本記事では、建売住宅がなぜ安いのか、理由を詳しく解説します。 安すぎる建売を購入した場合に考えられるリスクと失敗を避けるための方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
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建売住宅はなぜ安いのか?5つの理由
建売が安い理由は、以下5つのコストを削減して原価をおさえているためです。
- 土地のコスト
- 建物のコスト
- 設計のコスト
- 施工のコスト
- 販売のコスト
順番に詳しく解説します。
土地のコスト削減で安い
注文住宅では土地と建物を別々に購入する必要があり、土地の販売会社と建物の販売会社それぞれと売買契約を交わさなければいけません。
当然、販売価格はそれぞれの会社の手数料や管理経費などが上乗せされた金額です。
一方、建売住宅は土地と建物がセットで販売されており、別々に購入するよりも管理・事務コストや手数料を節約できる分だけ安い価格になっています。
さらに、販売会社は広い土地をまとめて購入してから複数の建売住宅を建てるため、1棟あたりの土地の原価を安くおさえられます。
このように土地のコストを削減していることが、建売住宅が安い理由のひとつです。
建物のコスト削減で安い
建売住宅がなぜ安いのか疑問に感じる方のなかには、「安っぽい材料が使われているのでは…」と不安な方もいるでしょう。
建売住宅はデザインをパターン化しており、共通の建材や設備を使用して建てることが多いです。そのため、一度に大量発注することで資材を割安価格で仕入れています。
極端に安い材料を選んで使用しているわけではないため安心してください。
また、注文住宅では、間取りの設計の仕方によっては設備や建材の標準サイズが合わず、特注品が必要になる場合があります。
特注品はコストがかかり、既製品より数十万円以上高くなることも少なくありません。
一方、建売住宅は標準サイズに合うように設計されることが一般的です。追加費用がかかりにくく無駄なく建てられるため、安い価格で販売されています。
設計のコスト削減で安い
建売住宅は、シンプルな間取りで建てることが多く、設計の手間が少ないのが特徴です。また、ある程度パターンが決まっており、1棟1棟個別に細かく設計する必要がありません。
一方、注文住宅ではオリジナルの間取りを作るため複雑になりやすく、構造や採光などを計算しながら時間をかけて設計を進めます。
図面や建材のサンプルなどの打ち合わせ資料の準備も必要になり、1棟あたりにかかる人件費や事務コストが高い傾向があります。その点、建売住宅では打ち合わせそのものが不要です。
このように設計時にかかるコストを大幅に削減できる点が、建売住宅が安い理由です。
なおSHIROの場合、パターン化はせずに、一棟ごとの土地に最適なプランを作成しております。
施工のコスト削減で安い
建売住宅がなぜ安いのかを考えた際に、「手抜き工事をしているからでは…」と心配される方がいます。しかし、実際は施工の過程を効率化した企業努力の結果です。
建売住宅は、複数棟まとめて建てることが多く、1人の現場監督や職人が複数の現場を兼任することが一般的です。
仮設トイレや足場なども兼用できるため、個別に建てる注文住宅よりも人件費や資材のレンタル料の分だけ施工コストを削減できます。
また、間取りや使用する資材が決まっているため、職人が施工の段取りに慣れて短期間でスムーズに工事を進められる点も特徴です。
工期が短いほど費用も節約でき、注文住宅よりも安い価格で提供できます。
販売のコスト削減で安い
注文住宅は、受注してから建物を建てるため、購入希望者は実物がない状態で契約しなければいけません。そのため、ほとんどの住宅会社は見本用のモデルハウスを用意しています。
モデルハウスを建てるには、実際の建物と同じぐらいの建築費がかかり、さらに展示中の電気・水道代などのランニングコストも発生します。
モデルハウス専任の担当者の人件費も必要であり、販売にかかる経費を回収するために住宅の販売価格をなかなか下げられません。
しかし、建売住宅は販売する住宅そのものがモデルハウスの代わりになります。
販売コストを大幅に削減できるため、「なぜここまで安い?」と驚くような価格で住宅を購入できます。
建売住宅は注文住宅に比べてどのくらい安い?
ここまで建売住宅がなぜ安いのか理由を解説してきましたが、実際に注文住宅に比べてどのくらい安いのかを確認してみましょう。
調査データを見ながら、建売住宅と注文住宅の価格差について詳しく解説します。
建売住宅と注文住宅の価格差の調査データ
住宅金融支援機構が実施した2022年度フラット35利用者調査によると、建売住宅と注文住宅の「住宅面積100㎡(約30坪)あたりの平均購入価格」は、以下のとおりです。
建売住宅の購入金額 | 土地付き注文住宅の購入金額 | 価格差 | |
---|---|---|---|
全国 | 約3,649万円 | 約4,210万円 | 約561万円 |
首都圏 | 約4,418万円 | 約5,020万円 | 約602万円 |
近畿圏 | 約3,637万円 | 約4,350万円 | 約713万円 |
東海圏 | 約2,981万円 | 約3,825万円 | 約844万円 |
注文住宅よりも建売住宅のほうが全国平均で500万円以上、地域によっては800万円以上安いことがわかります。500万円〜800万円というと、高級車が買えるほどの金額です。
予算に余裕のない方でも手が届きやすく、差額の分を新居への引越し費用などにあてることもできるでしょう。
※上記の調査は、住宅金融支援機構が保有する借入申込書データをもとに、フラット35の利用者データを集計して算出されました。
パワービルダーは特に安い傾向がある
パワービルダーとは、年間数百〜数千棟単位で多数の建売住宅を販売する住宅会社を指します。
大手ハウスメーカーが全国に支店をおいて販売するのに対し、パワービルダーは特定の地域に特化して住宅を販売しているのが特徴です。
取り扱う建売住宅は約30坪程度、2階建てのスタンダードなモデルが多く、対象地域や住宅のバリエーションを限定することで特に安い価格で住宅を提供しています。
相場価格は2,000万円〜3,000万円台となっており、注文住宅の平均価格が4,000万円〜5,000万円台であることに比べると半額に近い金額です。
収入や貯蓄に余裕がない20代〜30代でも手が届きやすいため、リーズナブルな建売住宅を探している方はぜひ検討してみてください。
ただし、パワービルダーが提供する建売住宅は間取りの選択肢が少なく、設備なども価格に見合った内容になっています。
注文住宅に近い品質の住宅を求める方は、3,000万円台〜4,000万円台の物件を取り扱う会社がおすすめです。
値下げされてさらに安い場合もある
建売住宅を販売する会社は、施工してから1年以内に販売したいと考えています。法律により1年を経過すると「新築住宅」と表示できなくなるためです。
そのため、売れ残っている物件は値下げされて安く購入できることがあります。販売開始から1ヵ月経過するごとに100万円近く値下げする会社も少なくありません。
なぜ安い価格になっても売れ残っているのか不安になる方も多いですが、偶然条件が合わず買い手が見つかっていないだけの掘り出し物件もあります。
価格を重視して物件を選びたい方は、一度内覧してみるとよいでしょう。
なお、建売住宅は基本的に先着順で購入者が決まるため、値下げされるのを待つのはおすすめできません。
気に入った物件が見つかれば、機会を逃さず購入する意識を持っておきましょう。
参照:e-Gov法令検索|住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条2項(新築住宅の定義)
安すぎる建売住宅は購入すると失敗する?考えられるリスク
建売住宅は注文住宅より安いといっても、極端に安い物件があるのも事実です。相場より安すぎる物件を購入した場合、以下3つのリスクが考えられます。
- 人目が気になって恥ずかしいと感じる
- 建物の性能が低く暮らしにくい
- 住み始めてから不具合が多発する
購入してから困らないためにも、事前にリスクを把握しておきましょう。
人目が気になって恥ずかしいと感じる
相場より明らかに安い建売住宅は、グレードの低すぎる建材や設備を採用していることが多いです。標準以下の品質の資材を使用していると、安っぽい印象を受けるでしょう。
明らかに安く建てた建売住宅だとわかると、残念ながらバカにしたりマウンティングをとったりする方がいます。
恥ずかしく感じて自宅に友人や知人を呼ぶのをためらってしまうこともあるため、コストをおさえて購入したい方も極端に安い建売住宅はやめたほうがいいでしょう。
建物の性能が低く暮らしにくい
安すぎる建売住宅は、断熱材や建材などの見えない部分の材料を減らしてコストを削減している可能性が高いです。
「安い建売住宅を購入したら壁がペラペラで寒い」という方もいるように、建物の性能を落として建てられた住宅は住み心地に影響します。
断熱性能が低いとエアコンの効率が悪く光熱費が高くなり、耐震性能が低いと安心して生活できません。
安い建売住宅を探す方も、生活の質を下げないことを意識しながら物件を選ぶことをおすすめします。
住み始めてから不具合が多発する
相場よりも安すぎる建売住宅を取り扱う会社は、1棟あたりの価格を下げる代わりに数を売って利益を得ようとしている場合があります。
安く大量の住宅を建てるために、1人の現場監督や職人が一度にたくさんの物件を担当したり、無理なスケジュールで工事を進めたりすることも少なくありません。
そのため、施工ミスが起こりやすく、住み始めてから不具合がいくつも発生するような欠陥住宅になりやすいです。
安いからという理由だけで購入してしまうと「やめておけばよかった…」と後悔してしまうでしょう。
買ってはいけない安い建売住宅を避ける方法
安い建売住宅のなかでも買ってはいけない物件を避けるには、以下3つのポイントをおさえることが大切です。
- 複数社の物件を比較して相場価格を把握する
- 内覧時に施工不良がないかチェックする
- 購入前に専門機関へ調査を依頼する
それぞれ詳しく解説します。
複数社の物件を比較して相場価格を把握する
安すぎるかどうかを判断するために、まず建売住宅の相場価格を把握することが大切です。
具体的には、物件情報サイトなどで条件を入力して検索し、複数の異なる会社の物件を比較してみましょう。他の物件よりも明らかに安い場合は、なぜ安いかを調べてみてください。
主に以下のような原因が挙げられます。
- 人気エリアだが、土地・建物の面積が小さい
- 販売開始から時間が経っていて値下げしていた
- もともとローコスト住宅が得意な住宅の物件だった
主にローコスト住宅を取り扱う住宅会社の物件の場合は、住宅会社の口コミ・評判も確認しておきましょう。
悪い口コミが目立つようであれば、物件が魅力的でもやめたほうがいい可能性が高いです。
内覧時に施工不良がないかチェックする
建売住宅は購入前に内覧できるため、安い物件は特に細かく品質をチェックしましょう。
- 建材の継ぎ目は雑な仕上げになっていないか
- 目立つ傷や汚れがないか
- 室内に入った際に暑すぎたり寒すぎたりしないか
- すぐにはがれそうな安っぽい壁紙やフローリングが使われていないか
やめたほうがいいか迷った場合は、その建売住宅に何年も住み続けることや友人・知人を招いた場面をイメージしてみるのがおすすめです。
嫌な気持ちになるようなら、別の物件を探してみましょう。
物件選びの際の具体的なチェックポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
購入前に専門機関へ調査を依頼する
安い建売住宅を購入したいものの、どうしても品質が気になるという方は、「ホームインスペクション」を利用しましょう。
ホームインスペクションとは、住宅診断士と呼ばれる専門家に建物の劣化状況を診断してもらうことです。
天井裏や床下などの細かい部分まで品質を確認もらえるため、なぜ安いのか心配する気持ちを解消したうえで住宅を購入できます。
ただし、住宅会社側にとって調査が入ることは気持ちのよいものではなく、他の購入希望者が優先されて物件を逃す恐れがある点に注意しましょう。
ホームインスペクションを依頼する場合は、本当に購入したい物件に限り、必ず住宅会社へ相談してから手配することをおすすめします。
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※令和5年12月までの数値です。
令和4年1月1日付会社分割により株式会社ハウスドゥ(現:株式会社And Doホールディングス)から事業承継をしているため、当該会社分割前の実績も含めています。
引用元:【SHIRO】ハウスドゥの新築・デザイン住宅|建売住宅
まとめ:建売住宅が安い理由を知って賢い選択をしよう
建売住宅が安いのは、土地や建物の原価を安くおさえ、設計から販売までの過程を効率化することでコストを削減しているためです。
注文住宅に比べて約500万円〜800万円ほど安い傾向があり、パワービルダーの物件であればさらにリーズナブルな価格で購入できます。
ただし、相場より明らかに安い物件は、購入してからトラブルが起こる可能性が高いため注意が必要です。
内覧時に細かくチェックし、なぜ安いのかを確認してから慎重に選びましょう。
ぜひ本記事を参考にして、魅力的な建売住宅をお得に手に入れてください。
吉本えり
二級建築士・整理収納アドバイザー1級資格保有。大学院まで建築学を専攻し、ハウスメーカーでの勤務を経てWebライターとして独立。建築、不動産、インテリアなど住まいに関する記事を執筆しています。執筆実績100記事以上。
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